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武庫川河川整備事業に関わる地下水調査
1.武庫川水系河川整備計画
- 武庫川では、武庫川水系河川整備計画(平成23年8月)、阪神西部(武庫川流域圏)地域総合治水推進計画(令和6年5月)に基づき河川整備事業を進めているところです。
- この計画の中で、下流部築堤区間では洪水時の河川水位を下げるために、河川敷や河床の掘削、河川を横断している構造物(潮止堰や床止工)の撤去または改築が位置付けられています。
- 一方、これらの工事は武庫川周辺の地下水に下記のような影響を及ぼす可能性があると考えられたことから、地下水の調査を行っています。

2.地下水の観測方法
- 工事による周辺地下水への影響の有無を把握するために、整備計画策定後の平成24年(工事前)より、地下水観測を実施しています。
- 事業が20年間の長期間に渡ることから、主に土地利用変化の少ない公園等へ地下水観測井を設置して観測を行っています。
- 武庫川から分かれていた旧枝川は、現在は埋め立てられていますが、地下水が流れやすい可能性があるため、その周辺にも観測井を設置して観測を行っています。
<観測項目>
地下水位、地下水温、電気伝導度、水質分析試験
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観測項目 |
観測方法 |
備考 |
|---|---|---|
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地下水位 |
連続観測 |
水位の変動を把握。全箇所にて計測。 |
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地下水温 |
連続観測 |
水温の変動を把握。全箇所にて計測。 |
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電気伝導度 |
連続観測 |
塩水化の状況を把握。主に塩水の監視が必要な箇所にて計測。 |
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水質分析試験 |
適宜 |
塩化物イオン濃度、pH、電気伝導度を計測。 |
<観測井の位置>
- 別図1(地下水観測井位置図)(PDF:2,096KB)(別ウィンドウで開きます)に示す位置にて観測を実施しています。
- 観測井番号27(武庫川河川水位)以外は、「潮止矢板」(後述)よりも民家側に設置しています。
<観測井の深さ>
- 武庫川近隣の地層は、表層より概ね沖積砂礫層、沖積砂層、沖積粘土層、洪積砂礫層の順に成層しています。
- 地下水状況の効率的な把握のために以下の3種類の地下水観測井を調査位置に応じて設置しています。
1.浅層:沖積砂礫層内の地下水を観測
2.深層:沖積砂層内の地下水を観測
3.洪積層:洪積砂礫層内の地下水を観測

3.地下水の観測結果の見方
地下水位変動
- 観測井内の地下水位の経時変化(目盛:グラフ左側)と時間雨量(西宮)(目盛:グラフ右側)を重ねて表示しています。
地下水温変動
- 観測井内の地下水温の経時変化と地上気温(神戸)を重ねて表示しています。
電気伝導度・水質分析結果
- 観測井内の地下水の電気伝導度の経時変化を示しています。
- 電気伝導度は、物質の電気の伝わりやすさを表す値で、水は塩分が混ざると電気を通しやすくなり、電気伝導度の値が高くなります。電気伝導度を観測することで、海水(塩水)が河川を介して地下水にどの程度影響しているか把握しようとしています。
- 計器による常時観測を行うことで、工事開始後に電気伝導度が上昇した場合には、工事の進捗状況と比較することで、工事との因果関係をより詳細に検討することができます。
- ただし、電気伝導度は海水以外でも様々なイオンが溶け込むことで高くなるため、塩化物イオン濃度と併せて評価しています。
- 分析結果の目安として、水道水質基準及び農業(水稲)用水基準を示しています。
- 観測井では、深度によって電気伝導度が異なります。地下水利用に対する影響把握の観点から、観測途中で計器の設置深度を変更している箇所があります。
- 水質基準に関する省令(平成15年5月30日厚生労働省令第101号)
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水質基準項目 |
基準値 |
|---|---|
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塩化物イオン |
200mg/l以下 |
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水素イオン濃度(pH) |
5.8以上8.6以下 |
- 農業(水稲)用水基準(昭和45年3月農林水産省公害研究会)
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水質基準項目 |
基準値 |
|---|---|
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電気伝導度 |
0.3mS/cm以下(30mS/m) |
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水素イオン濃度(pH) |
6.0以上7.5以下 |
4.地下水の観測結果
地下水の変動状況
- 各観測井での令和7年度の観測結果一覧は「令和7年度調査結果一覧(PDF:58KB)」をご覧ください。
- 各観測井のグラフは、下表内のPDFファイルに示しています。
- 各観測井における電気伝導度の平面分布については「電気伝導度の平面分布」をご覧ください。
- 工事実施状況については、「武庫川下流部築堤区間の河川整備について」をご覧ください。
- 令和7年度の降水量の状況については、「令和7年度降水量の整理結果(PDF:123KB)」をご覧ください。
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観測井番号 |
観測井の所在地 |
浅層 |
深層 |
洪積層 |
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1 |
尼崎市道意町 |
- |
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2 |
尼崎市菜切山町 |
- |
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3 |
西宮市上田中町 |
- |
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4 |
西宮市上甲子園 |
- |
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5 |
西宮市甲子園四番町 |
- |
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6 |
西宮市甲子園一番町 |
- |
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7 |
西宮市戸崎町 |
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8 |
西宮市甲子園九番町 |
- |
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9 |
西宮市戸崎町 |
- |
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10 |
西宮市戸崎町 |
- |
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11 |
尼崎市稲葉荘 |
- |
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12 |
尼崎市大島 |
- |
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13 |
尼崎市大島 |
- |
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14 |
尼崎市大庄西町 |
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15 |
西宮市小松南町 |
- |
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16 |
西宮市小松東町 |
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17 |
西宮市東鳴尾町 |
- |
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18 |
西宮市上甲子園 |
- |
- |
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19 |
西宮市上甲子園 |
- |
- |
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20 |
西宮市甲子園春風町 |
- |
- |
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21 |
西宮市小曽根町 |
- |
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22 |
西宮市小町北町 |
- |
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23 |
西宮市池開町 |
- |
- |
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24 |
尼崎市大庄西町 |
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- |
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25 |
西宮市小町東町(河川敷) |
- |
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26 |
西宮市小松東町(河川敷) |
- |
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27 |
武庫川河川水位(潮止堰上流) |
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- | |
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28 |
尼崎市大庄西町 |
- |
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29 |
西宮市小松南町(河川敷) |
- | ||
| 30 | 西宮市鳴尾町 | 浅層30(PDF:1,922KB) | - | - |
| 31 | 西宮市甲子園浦風町 | 浅層31(PDF:1,968KB) | - | - |
| 32 | 西宮市小曽根町(河川敷) | 浅層32(PDF:163KB) | - | - |
| 33 | 尼崎市大島(河川敷) | 浅層33(PDF:160KB) | - | - |
| 34 | 西宮市小曽根町(河川敷) | 浅層34(PDF:161KB) | - | - |
| 35 | 尼崎市大島(河川敷) | 浅層35(PDF:162KB) | - | - |
| 36 |
西宮市小松東(河川敷) |
浅層36(PDF:165KB) | - | - |
| 37 | 尼崎市大島(河川敷) | 浅層37(PDF:160KB) | - | - |
| 38 | 尼崎市大島(河川敷) | 浅層38(PDF:161KB) | - | - |
5.潮止堰倒伏前後の考察
- 阪神電鉄下流に設置している潮止堰を令和7年2月27日に倒伏しました。
- 倒伏後は、小曽根水位局の水位変化結果から河川水位に潮汐の影響が認められます。
- 河川水の電気伝導度や塩化物イオン濃度は、潮止堰倒伏後に大きく上昇していますが、川に近接する各観測井では、潮止堰倒伏前後で大きな変化は認められません。
- そのため、現時点では、潮止堰の倒伏に起因する民家側地下水への海水の混入はないと考えられます。
潮止堰倒伏前に川の両岸に「潮止矢板」を設置して、海水が川を遡上することによる周辺地下水の塩水化を抑止しています。