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更新日:2026年9月30日

請願 第74号

令和8年9月30日配付

健康福祉常任委員会付託

医師需給推計および医師偏在指標の見直しを国に求める件

1 受理番号 第74号

2 受理年月日 令和8年9月17日

3 紹介議員 庄本 えつこ 丸尾 まき

4 請願の要旨

 国が示す医師需給推計では、「2029年頃に医師需給が均衡し、その後は過剰となる」とされている。しかし、この推計は医療現場の実態を十分に反映しておらず、複数の点で重大な問題がある。

 第一に、推計の前提として厚生労働省が示す過労死ラインである年間960時間の時間外労働を医師に容認している。この時間外労働時間も宿日直を労働時間に含めないなど過小に評価している。医師が過労死水準の勤務をすることを前提とした推計は、政策判断の根拠として適切ではない。

 第二に、推計は「医師免許保有者数」を基準としており、実際に診療を担う医師数を反映していない。医師の働き方改革の進展、女性医師の増加に伴う多様な働き方の広がり、研究職、自由診療や海外での活動を選択する医師の増加など、医師のキャリア選択は多様化している。医師免許保有者数による需給推計は、これらの変化を考慮しておらず政策判断の前提としては不適切である。

 第三に、OECDの加重平均を用いて必要医師数を過小評価している。OECDの単純平均であれば約46万人必要な医師数を36万人としている。国際比較においても日本の医師数は人口1,000人当たり2.5人とOECD平均3.6人を大きく下回っており、絶対的な医師不足が続いている。

 第四に、医師偏在指標に基づく「医師多数県」「医師少数県」という区分は、医師の絶対数が不足している日本の状況において不適切な表記である。国内で最も医師数が多いとされる県でさえOECD平均を下回っており、医師が“余っている”地域は日本のどこにも存在しない。多数県とされる地域の知事からも医師不足の声が上がっており、偏在指標は地域医療の実態を反映していない。

 第五に、人口減少が進む一方で、年間死亡者数は2070年頃まで150万人超が続くと推計されており、医療需要は高止まりすることが明らかである。医療技術の進歩に伴い医療の高度化も進むため、必要医師数はむしろ増加することが見込まれる。

 医師需給推計および偏在指標は現場の実態を反映しておらず、医学部定員や地域枠など、地域医療の担い手育成に重大な政策に影響を及ぼす可能性がある。また、医師偏在指標は臨床研修医の募集定員の上限設定にも用いられており、不正確な指標が研修医確保にも直接影響を及ぼしている。兵庫県の医療の質を高め、医師の健康をまもり、県民の医療へのアクセスを維持拡大するためには、医師需給推計および医師偏在指標の抜本的な見直しが必要である。

 よって、下記事項を要望する。

記

 1 兵庫県として、国に対し、現行の医師需給推計および医師偏在指標の前提と算出方法を見直すよう求めること。

お問い合わせ

部署名:兵庫県議会事務局 議事課 委員会・記録班

電話:078-362-3714

FAX:078-362-9031

Eメール:Gikaigijika@pref.hyogo.lg.jp