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新しい命がもう一つの命を救う

阪神・淡路大震災時に全国から駆け付けた医療ボランティアに感謝を表明するため、県が中心となって仕組みを整備し設立されたNPO法人兵庫さい帯血バンク。以来30年にわたり全国の血液難病患者を救ってきた活動について、理事長の後藤武さんに伺いました。(取材・文 本紙編集部)


―そもそも、さい帯血とは。
赤ちゃんとお母さんをつなぐへその緒(さい帯)と胎盤に流れる血液で、出産時にしか採取できないものです。血液細胞を造り出す造血幹細胞が多く含まれ、白血病などの移植治療に使われています。採取時に提供者の身体的な負担は全くありません。

―公的さい帯血バンクの仕組みは。
県内23の提携産科施設で、本人から同意を得た上で、出産直後に採取したさい帯血を無償で提供してもらいます。回収後、移植のための品質基準をクリアしたものだけを凍結保存し、半年後に母子の健康状態が確認できたら全国共通のデータベースに載せ、医師の依頼に応じて適合患者の元へ届けます。

―現状と課題は。
治療用なので、いかに安全で高品質なものを提供できるかが鍵を握っており、実際に登録されるのは採取数全体のわずか10%ほど。そのため、まず数量を集めることが重要ですが、少子化で減少が懸念されています。存在自体を知らない人も多いため、周囲に妊娠した人がいたらぜひ勧めてください。また、資材の価格高騰等で運営が厳しいため、寄付などで応援してもらえると大変うれしいです。

移植患者からのメッセージ

急性骨髄性白血病と診断され、移植しか治療の方法がなかったのですが、家族とは型が適合せず不安な気持ちでした。
適合するさい帯血が見つかったと聞いた時は本当に嬉しかったです。
お子様が大きくなられたら、あなたが生まれてきてくれたおかげで命が助かった人がいるんだよ、とどうかお伝えください。
本当にありがとうございました。(ペンネーム M.I)

提供者からのメッセージ

私と子どもをつないでいたへその緒が、めぐりめぐって誰かの助けになれることをうれしく思うと同時に、子どもに対して誇りに思います。
今回、私たちが提供させていただいたさい帯血で誰かの病気が治るよう祈っています。(ペンネーム R.S)

お問い合わせ

部署名:総務部秘書広報室広報広聴課

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