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赤穂健康福祉事務所(保健所)管内(相生市、赤穂市、上郡町)の感染症情報を西播磨の山城3兄弟とお届けします。
今、気を付けたい感染症 梅毒の報告数が過去最多となっています
寒い冬に気を付けたい感染症海外へ行かれる方は渡航先で流行している感染症にご注意を
新型コロナ「5類」になってどうなるの? 「マダニ」にご注意を!
今でも結核!?赤穂健康福祉事務所管内2022速報値 HPVワクチンの積極的な接種勧奨再開
赤穂健康福祉事務所管内はインフルエンザシーズン真っただ中です。インフルエンザは例年10月から11月頃に流行が始まりますが、今年は9月上旬から流行が始まっています。第47週(令和5年11月20日~11月26日)は1定点機関あたり15.67人(前週22.33人)と減少しました。
赤穂健康福祉事務所管内では減少していますが兵庫県全体は増加しており、再度増加に転ずる恐れがありますので引き続きご注意ください。
今シーズンの動向は、2009年に新型インフルエンザ(H1N1pdm)が流行したときと似た推移をしています。
新型コロナウイルス感染症は第47週(11月20日~11月26日)は1定点医療機関あたり4.17人(前週1.83人)と前週から増加しました。昨冬は年末年始にかけて流行しましたので引き続き動向を注視ください。
アデノウイルス(咽頭結膜熱)、溶連菌にも引き続き注意が必要です。
感染症予防のために、流水と石鹸によるこまめな手洗い、咳エチケット、状況に応じてマスクを着用する等、基本的な感染予防対策を励行するようにしてください。アデノウイルスやノロウイルスなどアルコールが効きにくいウイルスもありますので、アルコール消毒だけではなく手洗いを励行してください。
兵庫県下において、O157等の腸管出血性大腸菌感染症の届出が例年の同時期と比べて多くなっています。ニュース等では、小さなお子様が重症化する事例や児童施設等での集団発生が報道されています。外出から帰宅時、食事前、調理の際、トイレの後などは十分な流水と石けんによる手洗いを励行していただき、肉類、内臓類などは十分に加熱してから召し上がるようにしましょう。
赤穂郡医師会から情報提供いただきましたをご紹介します。
赤穂郡医師会では、令和4年から医師会の8医療機関において感染症のサーベイランスを行っており、上郡町内のすべての医療機関で診断された患者総数の動向が観察できます。
赤穂郡医師会内における第46週(令和5年11月13日~11月19日)のインフルエンザの状況は、36人と前週75人から大幅に減少しました。
新型コロナウイルス感染症は収束傾向ですが、咳エチケットや状況に応じたマスクの着用など基本的な感染予防対策は継続していただきましょうお願いします。
兵庫県/赤穂健康福祉事務所管内の新型コロナウイルス感染症発生状況 (hyogo.lg.jp)
兵庫県/腸管出血性大腸菌感染症について (hyogo.lg.jp)
兵庫県/兵庫県感染症情報センター (hyogo.lg.jp)
近年、全国的に梅毒の報告数が増加傾向にありますが、赤穂健康福祉事務所管内においても2023年11月末現在で過去一番の報告数となっています。2023年の特徴としては、性別は男性、感染経路は風俗利用の方が多いです。
梅毒は、主に、性的接触により、口や性器などの粘膜や皮膚から感染します。
梅毒にり患した者との性交渉を避けることが基本となります。
コンドームの適切な使用により感染リスクは下がりますが、コンドームが覆わない部分から感染する可能性があるため、完全に予防することはできません。
赤穂健康福祉事務所では、匿名無料の検査を行っていますのでご不安な方はご相談ください。
赤穂健康福祉事務所における検査案内(別ウィンドウで開きます)
梅毒(厚生労働省)(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)
梅毒とは(国立感染症研究所)(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)
冬になるとノロウイルスやロタウイルスなどのウイルス性胃腸炎も増えてきます。これらのウイルスは感染力が強く、アルコールによる消毒も効きにくいため、日頃より手洗いを励行することが大事になります。外から帰ってきたとき、食事前、トイレの後、便や嘔吐物の処理をしたとき、オムツ交換のあとはせっけんと十分な流水で手洗いを行いましょう。
ロタウイルスはワクチンがあります。重症化予防のために定期接種の対象となる乳児は接種をしましょう。
冬の感染症にご注意! ~インフルエンザ&ノロウイルス特集~ | 首相官邸ホームページ (kantei.go.jp)
インフルエンザ(総合ページ) |厚生労働省 (mhlw.go.jp)
感染性胃腸炎(特にノロウイルス)について|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
感染性胃腸炎(特にロタウイルス)について|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
海外へ行かれる方はまず渡航先で流行している感染症を検疫所のホームページFORTH|厚生労働省検疫所で調べてから予防対策をたてていきましょう。
気を付けていただきたい感染症として、この春には海外から持ち込まれ国内で感染を拡げた「麻しん」、水道設備が整っていない地域などでは、「赤痢」や「チフス」、蚊を媒介する感染症の「マラリア」、「デング熱」、「ジカウイルス感染症」などがあります。
本年は熱帯、亜熱帯地域において「デング熱」の大規模な流行が報告されているようで、これらの地域に渡航する場合は、蚊にかまれない対策が必要です。
渡航に関する規制がなくなった今年は夏休みを利用して海外渡航される方も多いかと思われますが、渡航先で流行している感染症にかからないよう予防していただき、思いっきり楽しんできてください。
兵庫県/長期休暇で海外へ渡航される方へ(感染症予防と予防接種) (hyogo.lg.jp)
新型コロナウイルス感染症は、令和5年5月8日から感染症法上の「5類感染症」に位置づけられました。
「5類感染症」となっても、今後も一定数患者の発生は続き、流行を繰り返していくものと思われます。
では、「5類感染症」になって赤穂健康福祉事務所管内のみなさまにとって何が変わったのでしょうか。
まず、新型コロナウイルス感染症にかかった時の感染症法に基づく就業制限、入院勧告、外出自粛の協力依頼(感染性のある期間は、お仕事に就けない、感染症指定医療機関に入院、外出は控えていただくようお願いする)、個別の疫学調査はなくなります。濃厚接触者の外出自粛協力依頼もなくなります。しかし、法的な行動制限がなくなったからといって、感染性が変わるわけでもなく、高齢者や基礎疾患がある方の重症化リスクが変わるわけでもありませんので、リスクがある人に感染させないために、今後も感染を拡げないようコロナ禍に学んだ正しい感染予防対策は継続していただきますようお願いします。
医療の面ではどうでしょうか。保健所への報告に関しては、これまでは新型コロナウイルス感染症を診断したすべての医療機関から直ちに報告をいただいていましたが、指定された医療機関から週ごとの報告となります。新型コロナウイルス感染症の診断にかかる検査、治療のための外来医療費、入院医療費は全額公費負担されていましたが、公費負担はなくなり、通常の保険診療になります。
経過措置として、高額な新型コロナ治療薬(新型コロナの抗ウイルス薬や中和抗体薬)は一部公費負担(健康保険が3割負担の方は9000円が自己負担、2割負担で6000円、1割負担で3000円となります。)、入院医療費は月1万円を上限として公費負担されます。
赤穂健康福祉事務所管内のみなさまには、「5類感染症」に移行することを契機に、これまで旅行や会食、イベント事など我慢してきたことは思いっきり解放していただきたいものです。ただ、そこにはこれまで行ってきた感染予防対策をその時の発生状況に合わせて強弱をつけながら取り入れてくださいね。
赤穂健康福祉事務所管内の新型コロナ発生状況(別ウィンドウで開きます)
赤穂健康福祉事務所管内で新型コロナと診断された方へ(別ウィンドウで開きます)
赤穂健康福祉事務所管内で新型コロナ濃厚接触者となった方へ(別ウィンドウで開きます)
赤穂健康福祉事務所管内のみなさまへ新型コロナ予防のために(別ウィンドウで開きます)
令和5年4月に赤穂健康福祉事務所管内において重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の報告が1名ありました。
兵庫県内で初めてSFTSの患者報告があったのは平成25年で、これまでに9名の報告がありましたが、その内5名は赤穂健康福祉事務所管内で確認されたものです。
SFTSはマダニに咬まれることによって感染する感染症です。春から秋までがマダニの活動が活発になる時期ですが、冬に活動する「マダニ」の種類もありますので冬もご注意ください。
赤穂健康福祉事務所管内ではダニ関連疾患として、「つつが虫病」も昨年報告されています。
詳しくは、赤穂健康福祉事務所管内にお住まいのみなさま「マダニ」にご注意を!(別ウィンドウで開きます)
令和5年9月24日から9月30日は「結核予防週間」です。
今年の標語「いまも1日平均28人が結核と診断されています。」ですって。
2022年の赤穂健康福祉事務所管内の結核患者報告数は、5人で罹患率(人口10万人あたりの報告数)は5.8人で前年から低まん延国の基準となる10.0人を下回っています。
年代別では70歳以上が60%を占めており、高齢者は注意が必要です。
咳が長引く、体重減少が続く場合などは念のため医療機関を受診しましょう。
赤穂健康福祉事務所管内における2022の結核(概況)(PDF:929KB)
赤穂健康福祉事務所の結核通信(令和5年)
医療機関向け(PDF:325KB)(別ウィンドウで開きます)
結核(BCGワクチン) |厚生労働省 (mhlw.go.jp)
子宮頸がん等予防のためのHPVワクチンは、接種後に原因不明の持続的な疼痛等がみられたため平成25年6月に定期接種を積極的に勧奨しない(要するに国として接種をおすすめしない)こととなっていました。
令和3年11月に最近の知見から、HPVワクチンの安全性に特段の懸念がみとめられないことが確認されたことから、積極的な接種勧奨の差し控えは終了(要するに国として接種をおすすめする)となり令和4年4月から定期接種が事実上再開となりました。
接種機会を逃していた平成9年度生まれから平成17年度生まれの女子に接種機会を設けるためキャッチアップ接種が行われていますので、お住いの市町ホームページをご確認ください。
令和5年4月からは、9価ワクチン(シルガード9)の接種も可能となっています。
相生市「HPV(ヒトパピローマウイルス)感染症予防接種について」のページ(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)
赤穂市「ヒトパピローマウイルス感染症予防接種について」のページ(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)
上郡町「HPVワクチンのキャッチアップ接種について」のページ(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)
令和5年4月11日兵庫県内居住者でエムポックス患者が発生したことが公表されました。
エムポックスは、アフリカに生息するリスなどの齧歯類をはじめ、サルやウサギなどウイルスを保有する動物との接触により感染する感染症です。
2022年5月以降、アフリカ大陸への渡航歴のない症例が欧米を中心にこれまで8万人以上確認されており(2023年4月現在)、2022年7月23日にWHOはエムポックスの流行が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」に該当すると宣言されています。(2023年5月11日宣言終了)
2023年3月時点で全体の報告数は減少傾向にあるようですが、国内では2023年に入ってから報告数が増加傾向にあり、100名を超える患者が確認されています。
常在国外で報告されている症例の多くは男性であり、男性間で性交渉を行う者(MSM; Men who have sex with men)が多く含まれていることが各国から報告されているそうです。MSM以外の男性、小児、女性の感染例の報告もあるようです。
複数国で報告されているエムポックスについて(第4報) (niid.go.jp)
2022年1月以降、欧州や米国において10歳未満の小児の原因不明の急性肝炎の発生が報告され、肝移植を受けた事例も報告されているそうです。
一部事例では、アデノウイルス等が検出されているものの、原因は明らかになっておらず関連が調査されているところです。
現在日本では同様の事例がないか調査を行っています。
今ただちに恐れたり特別の対応をする必要はありませんが、ウイルスの関連が示唆されていますので、咳エチケット、手指衛生(手洗い、手指消毒)などの感染対策は引き続き励行しましょう。
令和5年8月21日付けの国立感染症研究所の報告において国内外で増加している兆候はないことから、令和5年8月31日をもって積極的な情報収集は終了となりました。
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