豊岡健康福祉事務所感染症発生動向調査週報
このページは感染症発生動向調査事業に基づき、豊岡健康福祉事務所管内(豊岡市・香美町・新温泉町)を中心とした地域の感染症の発生状況を毎週情報提供し、感染予防についての注意喚起を行っています。
2024年第43週(10月21日~10月27日)の管内の感染症発生動向情報をお送りします
今週のcontents
- 定点把握感染症について〈定点あたり報告数の多い感染症〉
- マイコプラズマ肺炎について
- ダニ媒介感染症について
1.定点把握感染症について(定点あたり報告数の多い感染症)
感染症
|
定点あたり報告数
|
増減
|
43週
|
42週
|
手足口病 |
9.8 |
10.2 |
↓減少 |
感染性胃腸炎 |
2.0 |
3.0 |
↓減少 |
COVID-19 |
0.88 |
2.0 |
↓減少 |
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 |
0.8 |
0.2 |
↑増加 |
2.マイコプラズマ肺炎について
- 今週、管内では2カ所の小学校からマイコプラズマ肺炎による臨時休業の報告がありました。
- マイコプラズマ肺炎は、「肺炎マイコプラズマ」という細菌に感染することによって起こる呼吸器感染症です。今年は令和2年~令和5年と比較して突出して報告数が増加しています。
- 例年、患者として報告されるもののうち約80%は14歳以下ですが、成人の報告もみられます。
- マイコプラズマ肺炎は1年を通じてみられ、秋冬に増加する傾向があります。
- 感染経路は飛沫感染や接触感染で、潜伏期間は長く、2~3週間くらいとされています。
- 症状は発熱や全身倦怠感(だるさ)、頭痛、痰を伴わない咳等がみられます。咳は少し遅れて始まることもあり、咳は熱が下がった後も長期にわたって(3~4週間)続くのが特徴です。
- 肺炎マイコプラズマに感染した人の多くは、気管支炎で済み、軽い症状が続きます(一般に、小児の方が軽症で済むと言われています)が、一部の人は肺炎となったり、重症化したりすることもあります。咳が長引く時は医療機関を受診しましょう。
- 短時間の接触で感染拡大の可能性はそれほどありませんが、普段からの流水と石けんによる手洗いをすることが大切です。また、感染した場合は、家族間でもタオルの共用は避けましょう。咳の症状がある場合には、マスクを着用するなど咳エチケットを守ることを心がけましょう。
【関連ページ】
厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/mycoplasma.html
3.ダニ媒介感染症について
- 今週、県内で重症熱性血小板減少症候群(SFTS)1件、日本紅斑熱2件の報告がありました。
- 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)も日本紅斑熱もダニ媒介感染症で病原体を保有するマダニ等に咬まれることによって発症する感染症です。
- 特にマダニの活動が盛んな春から秋にかけては、マダニに刺される危険性が高まります。温暖な今年は初冬になってもマダニが活動することが考えられます。
- 感染を予防するためには、草むらや藪など、マダニが多く生息する場所に入る場合は、長袖・長ズボン(シャツの裾はズボンの中に、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れる)、足を完全に覆う靴(サンダル等は避ける)、帽子、手袋を着用し、首にタオルを巻く等、肌の露出を少なくし、服は明るい色のもの(マダニを目視で確認しやすい)を着用しましょう。
- ディートやイカリジンの成分を含む虫よけスプレーも用法、用量を守って上手に使いましょう。
- マダニの多くは、ヒトや動物に取り付くと、皮膚にしっかりと口器を突き刺し、長時間(数日から、長いものは10日間以上)吸血しますが、咬まれたことに気がつかない場合も多いと言われているので、活動後は入浴し、マダニに咬まれていないか確認して下さい。特にわきの下、足の付け根、手首、膝の裏、胸の下、頭部(髪の毛の中)などがポイントです。
- 吸血中のマダニに気づいた時は、医療機関(皮膚科)で処置をしてもらってください。
- マダニに咬まれた後は2週間程度、体調の変化に注意し、発熱等の症状が認められた場合は医療機関にマダニに咬まれたことを伝え診察を受けて下さい。
【関連ページ】
厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164495.html
グラフ・データで見る管内の感染症情報(2024年43週)
小児科定点(グラフ)インフルエンザ定点(グラフ)(PDF:623KB)
兵庫県保健所別データ(PDF:34KB)
兵庫県感染症発生動向調査週報(PDF:536KB)