医療と保健が連携した「養育支援ネット」システムについて
医療と保健が連携した「養育支援ネット」システムとは
兵庫県では、未熟児等、養育上支援を必要とする妊婦や乳幼児家庭を早期に把握し支援していくために、医療機関等と保健行政機関をつなぐ母子保健医療情報提供システム「養育支援ネット」を推進しています。
医療機関等において、支援を要する妊婦や乳幼児家庭を把握した場合、下記の様式により市町保健センターへご連絡下さい。
また、妊婦や乳幼児の保護者の方で、特に支援が必要な場合には、保健センターからご連絡させていただきますので、医療機関から保健センターへの情報提供についてご理解下さい。
実施内容
実施主体
市町・兵庫県
対象者
- (ア)未熟児
- (イ)虐待を受けるおそれのある児
- (ウ)医療機関、助産所(以下、「医療機関等」という。)が「養育上の問題があり、地域での早期支援が必要な妊婦や親子(乳幼児とその親)」とみなしたものとする。なお、対象者の詳細については、以下のとおりと規定する。
情報提供の方法
- (ア)医療機関等は、本人や保護者の同意を得て、未熟児等養育上支援を必要とする妊婦や親子の情報を診療情報提供様式(様式12の2(別紙含む)、様式12の3、妊婦用様式)に記入し、支援の必要に応じた時期に速やかに、住所地の市町に提供する。ただし、里帰り先での支援を要する親子・妊婦の場合(概ね2週間以内)については、医療機関等より住所地母子保健担当窓口に照会し、里帰り先の住所地に直接送付することも可能である。
- (イ)本人や保護者の同意がない場合は、本様式による情報提供は行わないものとし、情報の取り扱いにあたっては、プライバシーの保護について十分留意し、対象の情報が部外者に漏れることがないよう秘密保持を厳重にする。
情報の流れと保健福祉サービスの提供
- (ア)情報提供を受けた住所地(里帰りの場合は里帰り先)の市町は、速やかに家庭訪問を行う。
- (イ)対応困難事例については、健康福祉事務所と情報共有し、状況に応じて健康福祉事務所家庭訪問、または健康福祉事務所と市町との同伴により家庭訪問を行う。
- (ウ)家庭訪問を行った市町及び健康福祉事務所は、その結果を「育児支援等連絡票」(様式1)又は「妊婦支援等連絡票」(様式2)に記録し、速やかに情報提供元の医療機関等に報告する。里帰り先の市町が訪問した場合は、その結果を、情報提供元の医療機関等及び当該親子・妊婦の住所地の市町に報告する。
- (エ)健康福祉事務所が訪問指導を行ったときは、その結果を「育児支援等連絡票」(様式1)又は「妊婦支援等連絡票」(様式2)に記録のうえ、当該親子・妊婦の住所地の市町に通知し、市町は後の健康診査等での支援に情報を活用する。
- (オ)医療機関等は、虐待が明らかな場合あるいは虐待の疑いが強い場合は、児童虐待防止法第6条に基づき、こども家庭センターまたは福祉事務所に通告を行う。
(なお、児童相談所等から調査協力を求められた場合に、医療機関等は被虐待児童等に関する資料等を提供できるものとされた。〈児童虐待防止法13条の4〉)
医療と保健が連携した「養育支援ネット」の流れ
養育支援ネット対象例
児の状況
- 未熟児
2,500g未満の低出生体重児のうち、養育上支援が必要な児や、養育医療対象児
- 身体障がい児及び長期療養児
障がいや重症の疾患を有する児、地域療育が必要な児
- その他、養育に支援を必要とする児
- 新生児期
早産児、低出生体重児、子宮内発育遅滞児(IUGR)、巨大児、分娩外傷、新生児仮死、呼吸障害、多発性形態異常、先天性代謝異常、聴覚障害児
- 乳幼児期
(ア)発育障害:身長・体重・性の発育異常
(イ)発達の遅れ:運動発達・言語発達・認知発達の遅れ
(ウ)行動の問題:行動障がい(注意集中困難・多動・不適応・攻撃性など)、情緒障がい(不安・無関心・分離・反抗)、その他(摂食障害、発達障害)
- 虐待の発生予防のために、保護者への養育支援の必要が考えられる乳幼児
妊婦または母親の状況
- 妊娠・出産状況
若年(10代)、ひとり親、未婚、被虐待歴・虐待歴あり、養育に負担のかかる疾患がある、知的障がい、身体障がい、精神障がい、アルコール・薬物依存がある、望まない妊娠、中絶を繰り返している、不妊治療後
- 妊婦・母親の行動
健診未受診、妊娠中期以降の受診、分娩時が初診、関係機関等の援助を拒否、衣類等が不衛生
- 育児状況
育児不安が強い、子どもの世話をしない、情緒不安から子どもを傷つける、産後の不調が続いており、ベビーの世話をするのが困難、親の育児知識・育児態度あるいは姿勢に問題がある、我が子に愛着行為や関心がもてない等
家族・家庭の状況
- 夫(パートナー)との関係
DV、夫婦関係の破綻
- きょうだいの状況
きょうだいの不審死、きょうだいへの虐待行為
- 経済状態
両親に定職なし、不安定な就労・収入
- サポート等の状況
夫や家族・地域の中で育児の協力が得られない、地域の中で孤立
各様式