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04 妊娠を見据え備えたい

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01

基礎体温を
測定して備えよう

基礎体温とは、生命維持に必要な最小限のエネルギーしか使っていないときの体温のこと。起床後寝たままの状態で、舌の裏側の付け根に婦人体温計を当てて測定します。女性のからだはホルモンの影響で、周期的に基礎体温が変化します。基礎体温からは次の月経予定日や妊娠しやすい時期、さらには妊娠の可能性も予測できます。

自分のからだのリズムとコンディションを知るために、基礎体温を活用しましょう。なお、女性の基礎体温が正常のパターンからはずれているときは、ホルモンバランスの乱れや妊娠している可能性があります。基礎体温表をもって婦人科を受診することをおすすめします。

一日くらい忘れても大丈夫!とにかく続けることが大事だよ

【図1:基礎体温の測り方3つのポイント】

  • 朝起きたらすぐに測ろう 毎朝起きてすぐに同じ時間に測るのが理想です。夜勤などで起床時間がまちまちな場合でも起床後すぐに測りましょう。とにかく続けることが大事です。

  • 基礎体温表を付けよう 基礎体温表に記録しましょう。基礎体温表は病院や薬局、インターネットでも手に入ります。まずは1周期分(月経初日~次の月経初日)、続けてみましょう。

  • 気づいたことはメモしよう 体調が悪かった日や夜更かしをした日、性交があった日など、いつもとは違うことがあった場合は一緒に記録しましょう。どのようなことが体温に影響するのか分かります。

【図2:基礎体温で分かること】

月経 正常 約14日間低温期が続いたあと、高温期が14日間続き、月経が来る。 妊娠の可能性が高い 高温が3週間以上続く。 無排卵月経の疑いがある 低温期しかない。 黄体機能不全の疑いがある 高温期が9日未満と短い。

02

感染症を知って備えよう

「性感染症」が増えています。性的接触を介し感染する「性感染症」ですが、感染しても無症状であることが多く、治療に結びつかないケースや知らないうちに周囲に感染させるケースもあるので、特に注意が必要です。

性感染症が
怖い理由は?

  • 無症状であり気づかない内に感染したり、感染させたりすることや、重症化することがある。
  • パートナー間で感染し合う場合がある
  • 不妊や胎児に影響を与えるものもある

予防方法
とは?

  • 不特定多数とのセックスは避ける
  • 妊娠を望まない場合にはコンドームを使用する

心配がある場合は
どうしたらいいの?

  • 検査を受ける
  • 最寄りの保健所に相談する

03

ワクチンのことを
知って備えよう

プレコンセプションケアにおいて、ワクチン接種は極めて重要な役割を果たします。感染症から完全に身を守ることはできませんが、打つことで予防できるものもあります。
適切なワクチン接種は、単に今のあなたの健康を守るだけでなく、将来のあなたも、また妊娠して生まれてくる赤ちゃんの健康も守ることができる第一歩となります。

ワクチン
接種は
どうして
必要なの?

  • 妊娠前の免疫力強化につながる母体と胎児の感染症リスク低減や先天性異常の予防にも
  • 妊娠中に接種できないワクチンの事前接種
  • 周囲の人(パートナーや家族)への感染予防
  • 将来の健康リスクの低減(HPVワクチンによる子宮頸がん予防など)

接種ワクチンについて教えて!

【図:ワクチン一覧】

ワクチン名 対象疾患 推奨年齢 接種のタイミング
麻疹・風疹混合
(MR)
麻疹(はしか)・
風疹
1歳以上の未接種者 妊娠1ヶ月前までに
水痘 水ぼうそう 1歳以上の未罹患者 妊娠3ヶ月前までに
B型肝炎 B型肝炎 全年齢(特に出産年齢の女性) 妊娠前〜妊娠中
流行性耳下腺炎 おたふくかぜ 1歳以上の未罹患者 妊娠3ヶ月前までに
HPV ヒトパピローマ
ウイルス感染症
小学6年生〜高校1年生相当の女子(公費)、
12〜26歳推奨
妊娠前
インフルエンザ インフルエンザ 全年齢(特に妊婦や妊娠予定者) 流行期前(妊娠中も可)

母子健康手帳ワクチンの接種歴を確認して妊娠を考える前に接種しよう

ワクチン接種の注意点は?

  • 事前の抗体検査を受けよう 事前に検査することで不要な接種を避け、効果的な接種計画を立てましょう。

  • 接種間隔を確認しよう 生ワクチン接種後は妊娠を避ける期間がありますので確認してください(例:1〜3ヶ月)。

  • 副反応の理解と対策をしよう 重篤な副反応のリスクは低いですが、一般的な副反応として発熱、接種部位の痛みがあります。

  • かかりつけ医と相談しよう かかりつけの医師に個人の健康状態や既往歴に応じて相談しましょう。

  • 年齢や過去の接種歴を確認しよう 推奨年齢を過ぎていても、未接種の場合は医師と相談の上で接種を検討しましょう。

  • 複数回接種が必要なワクチンのスケジュール管理をしよう HPVワクチンなど、複数回の接種が必要なものは計画的に行いましょう。

04

定期健診を
しっかり受けよう

学校や職場での定期健診や婦人科検診をきちんと受けて、健康を管理しましょう。また最近の新たな不妊のリスクとして「歯周病」が報告され、妊娠にも悪影響を与えることがわかっています。歯科検診も忘れずに受けましょう。

体調不良や違和感が続くときは、医療機関を受診しましょう。かかりつけ医を持つことも大切です。

検診は大切だから、忘れずに受けてね

【図:大切な検診の一覧】

検診名 対象疾患 推奨年齢 理想の頻度
一般健康診断 生活習慣病全般 全年齢 年1回
歯科検診 むし歯・歯周病など 全年齢 3-6ヶ月に1回
婦人科検診 子宮頸がん 20歳以上 2年に1回
婦人科検診 乳がん(※) 40歳以上 年1回または必要時
貧血検査 鉄欠乏性貧血など 特に女性 1〜2年に1回
甲状腺機能検査 甲状腺機能異常 症状がある場合 必要に応じて

「乳がん」は、月1回、セルフチェックをしましょう。お風呂やシャワーのとき、石けんがついた手で触れると乳房の凹凸がよくわかります。月経がはじまって1週間前後のタイミングでやってみましょう。

検診の注意事項を教えて!

  1. 上記の推奨年齢や頻度は一般的なガイドラインです。個人の健康状態や家族歴によっては、医師の判断で異なる場合があります。
  2. 多くの検診は、学校や職場の定期健康診断で実施される場合があります。それ以外の検診については、医療機関で受診できます。
  3. 妊娠を考えている方は、プレコンセプションケアの一環として、これらの検診を計画的に受けることをお勧めします。特に、婦人科検診は重要です。
  4. 症状がある場合や、気になる点がある場合は、年齢や推奨頻度に関わらず、早めに医療機関を受診しましょう。
  5. 生活習慣病(高血圧、糖尿病など)の家族歴がある場合は、若いうちから定期的なチェックを心がけましょう。

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