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マンガの登場人物
Dr.シオタニ&コン太 不妊治療の専門クリニックの理事Dr.シオタニと相棒のきつねコン太。プレコンのことをレクチャーしてくれる頼もしい存在。
高校生の幼馴染みカップル 女性:ミキ(未来)
男性:ケン(健)
キミたちの明るい未来のために、
「今」大切なこと。
英ウィメンズクリニック
理事長 塩谷 雅英
私は、不妊で悩んでいる方に、心と身体の両面からサポートするクリニックを設立し、運営しています。いまプレコンセプションケアが注目されている背景には、不妊治療で生まれる子どもが増えていること、男性不妊の増加、母体の低栄養などで高リスクの妊娠・出産が増えていることなど、多くの課題があげられます。
プレコンセプションケアは、若い皆さんが自分の健康に関心を持ち、男女ともに健康な生活習慣を身につけて、自分の夢の実現とともに、赤ちゃんが欲しいと思ったときに授かるチャンスを増やすことにつながります。「若いからまだまだ大丈夫」ではなく「若いからと油断せず、健康を意識する」という認識を持ちましょう。
このサイトは、プレコンセプションケアのはじめの一歩。ぜひ参考にして、自分でもいろいろ調べてみましょう。未来のあなたが輝くために「今」大切なこと、それがプレコンセプションケアなのです。
塩谷先生には兵庫県プレコンセプションケアの本サイトの監修をしていただいています。
兵庫県主催「県内高校生とのプレコン座談会」を開催。
プレコンセプションケアについて講座で学び、座談会に参加した高校生(男女各8人)に聞きました
“プレコンセプションケア”という言葉を初めて聞いた。人生全体をとおして健康づくりを行う必要性を感じた
難しい内容かと思ったが、学んでみると自分の未来に関係している身近な内容で、周囲との関係性や自分の身体と健康を守る大切な知識だと感じ、知ることができて良かった
妊娠・出産を乗り越えることは大変だと思うが、それらを乗り越えるからこそより一層赤ちゃんを愛おしく思えると感じ、妊娠・出産が楽しみになった
“プレコンセプションケア”は妊娠前後の体調管理のためのケアだと思っていたが、妊娠までのメンタルケアや健康づくりなど様々なことを含んでいることがわかった
妊娠・出産はまだまだ先のことで考えていなかったが、今後の選択肢を増やすきっかけになったので、今知ることができて良かった
生理不順も不妊の原因となるとは思っていなかったので、知ることができて良かった
【心身のケアについて】
遅めの結婚・妊娠・出産を考えていたが、それを実現するためには健康づくりや自分の身体に関する知識も必要だと感じた
今痩せ型なので、食事や適度な運動を今から気をつけて生活していきたい
運動や普段から健康習慣は将来の自分の健康につながることだと分かったので、大切にしていきたい
これからの人生で向かいたい方向に向かおうとするときに、健康でないことが自分の選択の妨げにならないようにしたい
心と身体のケアをするための知識や行動はすぐに出来るものではないので、今から徐々に意識して取り組んで行きたい
【ライフプラン・価値観について】
人生の分岐点で、今回の講義で得た人間関係や健康づくりなどの知識を活かしていきたい
心身の健康だけではなく、お金の準備などの環境面も整備していく必要があるのだと思った。ただ将来のライフプランを考えていくだけでなく、世の中の情勢に合わせた選択や決断が行えるようになりたい
たくさんの人と関わり、様々な価値観を得たい
SNSで中絶を選択した人が誹謗中傷を受けている様子などを目にすることがある。講義の中で当事者もさまざまな葛藤があることなどを学んだので、自身の知識の偏りや偏見をなくしていきたいと思った
DATA元:兵庫県主催で県内の高校で開催した「プレコンセプションケア座談会」に参加の高校1年生(男女各8人)の意見から一部抜粋して掲載しています(2024年7月3日に実施)
生涯のうちのプレコンセプションケアの位置づけ
(WHOのサイトから引用・改変)
“プレコン”(プレコンセプションケア)は、若い男女が妊娠や出産の希望を含む自分たちのライフプランを考えて、日々の生活や健康に向き合うこと。
早い段階から必要な知識を得て健康的な生活を送ることで、未来の子どもの健康の可能性を広げ、将来の健やかな妊娠や出産にもつながります。
今は妊娠や出産を考えていなくても、プレコンセプションケアを実施することで今の自分がもっと健康になって、人生100年時代の満ち足りた自分(well-being)の実現につながります。
2022年には全出生児約77万人の10%の約7万7千人が不妊治療によって誕生しています。これは約10人に1人の割合です。
女性の卵子においては生まれた時が一番多く、その後は増えることはなく、加齢とともに質も下がるため、30歳を超えると妊娠率が徐々に低下し、35歳を超えると明らかに低下すると言われています。また、男性においても加齢により精子の質が低下すると言われています。
さらに生殖補助医療による出生児の割合は年々増加傾向にあります。不妊の原因は、男性側、女性側、あるいはその両方にある場合があります。
【図1: 全出生児に占める生殖補助医療による出生児の割合】
(出典:生殖補助医療による出生児数 公益社団法人日本産科婦人科学会「ARTデー タブック (2022年)」、全出生児数 厚生労働省「令和3年 (2022)人口動態統計 (確定数)」)
【図2: 女性の各年齢における卵子の数の変化】
卵子は、出生後は新たに作られることがなく、質・量ともに減少し続けます。 そのため、年齢とともに、妊娠しにくくなったり妊娠の異常が起きやすくなります。
Baker TG(1972) Gametogenesis, Acta Endocrinol Sullpl 166;18-42を基に厚労省で一部改変
【図3:不妊の原因】
【出典】2017年WHO調査
女性では「生理不順を放置していた」「生理痛をがまんしていた」、男性は、「ぴったりした下着の着用」「膝の上でのパソコン等電子機器の操作」などが将来の不妊の原因となることがあると言われています。
日本産婦人科学会 登録:調査小委員会「2022年ARTデータブック」
https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/dl/30l.pdf
全出生児童数 厚生労働省「令和3年(2022)人口動態統計(各定数)」
日本産婦人科学会/不妊症
プレコンノート/国立成育医療研究センター
https://www.ncchd.go.jp/hospital/about/section/preconception/preconnote/#explainprecon
若い女性のやせと肥満の増加、出産年齢の高齢化などから、リスクの高い妊娠が増加しています。以下のグラフより、流産率が妊娠率を上回るのがだいたい40歳であることが分かります。また、予期せぬ妊娠や未成年での妊娠、母体の鉄分不足などの低栄養などによっても妊娠や出産のリスクが高まることが分かっています。
できるだけ早い時期から妊娠や出産に関する知識を持ち、リスクを減らしていくことが、健やかな妊娠・出産や生まれてくる赤ちゃんの健康につながります。
【図4: ART妊娠率・生産率・流産率 2022】
出所:日本産婦人科学会 登録:調査小委員会「2022年ARTデータブックより」
https://www.jsog.or.jp/activity/art/2022_JSOG-ART.pdf
子どもを持つ選択をするかしないかにかかわらず、プレコンセプションケアを実施することで、より豊かな人生につながるでしょう。
自分らしく生きるために大切なことは、「からだの健康」「こころの健康」「社会とのよいつながり」の3つです。
自分らしく生きるために大切なこと