更新日:2024年1月18日

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知事記者会見(2024年1月18日(木曜日))

【発表項目】

  1. 能登半島地震に関する兵庫県の支援の状況(PDF:1,547KB)
  2. 春の新生活「ひょうご家計応援キャンペーン『はばタンPay+』」第3弾募集開始(PDF:1,268KB)
  3. 尼崎フェニックス事業用地および尼崎の森中央緑地の活用に関するサウンディングの実施(PDF:785KB)

動画

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知事記者会見内容

知事:

1番目は「能登半島地震に関する兵庫県の支援の状況」です。

昨日、阪神・淡路大震災から29年目の1月17日を迎え、HAT神戸でひょうご安全の日のつどいを開催しました。

改めて、震災により亡くなられた方々のご冥福を心からお祈り申し上げたいと思います。

29年間、国内外から多くの支援、励ましをいただきながら、創造的復興を成し遂げて参りました。

震災の経験と教訓を活かしながら国内外の被災地の人々を支えていくことが私たちの責務ですので、支援の恩返しをしていきたいと考えています。

その意味でも、1月1日に発生した能登半島での地震の被害を受けた石川県に息の長い支援をしていく決意とともに、災害に強い県土づくりに向けた取り組みもさらに強化していきたいと意を強くしました。

現在、被災地では、雪が降り積もり厳しい寒さが続いている中で、避難されている方や支援に入っている方々など、現地にいる皆様に改めて、励ましの言葉を送りたいと思います。

兵庫県では、石川県珠洲市をカウンターパートとして、県内市町と連携して支援を行っています。

現在、石川県全体で死者が200名を超えており、災害関連死も発生しています。1700人を超える方々が1.5次、2次避難をされていますが、避難所に多くの方々が残られている状況です。

支援の状況は、関西広域連合の先遣隊から始まり、EARTH先遣隊、1月6日に現地連絡所を設置しました。また、神戸市などと連携して、1月8日に避難所運営の支援職員第1陣を派遣し、以降も続けていきます。DMATやがれき処理の担当も現地へ派遣しています。

物的支援もアルファ化米などを送っています。また、1月15日に緊急消防援助隊も派遣し、輪島市内で神戸市の隊員などが捜索活動をしたと昨日報道されました。

職員の派遣は、1月18日時点で、兵庫県内から行政や団体含めて340人を現地へ派遣しています。延べ人数で500名弱です。

行政職員の派遣から始まり、保健師の方々や医師をはじめとするDMATやDPAT、医師会からもJMATの派遣をしていただいています。官民連携で今後も支援を続けていくことが大事だと思っています。

現地の活動状況ですが、県や市町が現地へ赴き、避難所の支援や被災された建物の応急危険度判定の支援などを行っています。物資も、1月18日時点で、食料は約4万8000食、飲料水は約9500リットルの支援を行っています。

救急・救助活動ですが、緊急消防援助隊兵庫県大隊も派遣を続けていきます。それ以外にも南あわじ市からトイレカー、西宮市から給水車を派遣していただいています。

公営住宅は、県全体で県営住宅、市営住宅合わせて331戸の提供準備をしています。問い合わせは10件程度来ていますが、入居はまだゼロです。少し距離が遠いため、実際の入居には繋がっていない状況です。

義援金の募集も行っています。昨日のひょうご安全の日のつどいでも募金箱を設置し、多くの方々から義援金の寄付をいただきました。現時点で2700万円を超える寄付をいただいており、改めて県民の皆様に御礼を申し上げたいと思います。

今後の被災地への支援は、現地のニーズに応じた対応を行っていきます。救助活動や学校の再開の支援を行い、道路被害の状況把握をしていきます。

また、災害廃棄物であるがれきの処理等も本格化させていきます。緊急消防援助隊の派遣や、現地への支援も市町と連携してローテーションでの派遣を継続しています。

1月20日から道路被害状況等の調査員を神戸市と連携して派遣します。道路の被災状況の全容がまだ把握できていません。大きな幹線は、徐々に復旧しつつあると聞いていますが、枝線は被害状況が不明です。被害状況が分からないと、災害の査定や復旧にも繋げていけませんので、兵庫県も4名派遣する予定です。

少し先の話になりますが、宮城県、岩手県、福島県の復興計画策定と同様に石川県庁が復旧・復興プランを策定する際に、阪神・淡路大震災で培われた知見やフェニックス計画策定のプロセスなどを提供していきたいと考えています。

本日、社会福祉協議会被災地派遣先遣隊から報告を受けましたが、現地の避難されている方や被災者への支援は、避難所を中心にニーズが出てくるとのことでした。被災者の心のケアやボランティア支援などが必要になってくるとのことです。

珠洲市の社会福祉協議会は、全員で約70名とのことですが、多くの方々が福祉関係の対応をされている中で、ボランティアの受け入れ支援は、事務局長と担当が2人で、回っていない状況です。

今後、上下水道や道路を含めてインフラの復旧が進まないと、一般のボランティアの受け入れは現時点では難しい状況ですが、復旧期でも、心のケアや避難所での見守りも必要です。

現地の状況が整い次第、民間のボランティアの方々を派遣する状況を作っておく必要があり、兵庫県は、被災地、特に珠洲市の社会福祉協議会の体制確保に向けた支援をしていくことが大事だと考えています。

具体的には、マンパワーの支援を今後どのような形でできるかの調整をしていきたいと考えています。社会福祉協議会は、ボランティアの受入支援とともに、被災された方への貸付金の業務など、被災者にとって大事な支援業務が発生するので、社会福祉協議会の体制強化に資するように、調整と準備を進めていきたいと思っています。

また、ボランティアの送り出しに向けた準備も大切です。ボランティアの方々を大量に受入れる状況にはなっていませんが、一般的なボランティアだけではなく、厳しい環境での経験のあるプロフェッショナルボランティアを復旧期から派遣することが大事だと思います。

現状、ボランティアの派遣支援制度が二つあります。

一つは、災害ボランティアバス制度です。団体・グループや個人を対象にひょうごボランタリープラザがバスを借り上げ、被災地に行く事業です。

もう一つは、大規模災害ボランティア活動応援プロジェクトです。個々の団体やグループが現地へ行く際に現地までの交通費や宿泊費の一部を助成するものです。ふるさと寄附金などを活用して実施するものであり、5名以上のグループが対象になっています。

いずれも復旧期のがれき撤去や泥かきなど、被災者支援活動のボランティア派遣の支援となる事業で、拡充をしたいと考えています。

活動応援プロジェクトは、現在は1団体・グループにつき上限20万円となっていますが、今後、受け入れが可能になった場合に、より多くボランティアの方を派遣できるように、規模も含めて拡充する準備を進めたいと思っています。

2月議会の補正予算に向けて、事業の拡充をしていきます。20万円の上限をもう少し増やして、大きいグループで現地へ行く場合や交通費以外の支援ができないかを調整していきたいと考えています。

トルコ地震の派遣で事業化した、現地に行く場合の支援事業を参考にしながら作り上げていく予定です。

阪神・淡路大震災の際に、県外から多くのボランティアに来ていただきました。ボランティアの始まりだというのが阪神・淡路大震災ですので、民間のグループもできるだけ早く被災地で活動したいと強い思いをお持ちです。

受入体制が整った後になりますが、行く際のサポートをするために、交通費等の支援拡充をしていきたいと考えています。
 

2番目は「ひょうご家計応援キャンペーン『はばタンPay+』第3弾募集の開始」です。

物価高騰対策への支援として、春の新生活の準備に合わせて、12月県議会で補正予算に計上した「はばタンPay+」第3弾の募集を2月1日から開始します。

第1弾では、一般枠で53万人、子育て支援枠で23万世帯から申し込みがあり、大変多くの方にご利用いただきました。

私も買い物に行くと、「はばタンPay+」が使えるスーパーやお店がかなり増えており、実際に多くの方々が利用されているところを見ています。

食料品を含めた物価高騰における県民生活への影響が大きいため、第3弾をできるだけ多くの県民の皆さんにご利用いただきたいと考えています。

対象者は県民の皆さんで、第1弾、第2弾の購入者も再度申し込むことが可能です。申し込み期間は、2月1日から2月25日までの25日間です。ご利用期間は3月11日から6月30日を予定しています。

募集枠は、一般枠のみ、発行口数は約190万口で、これは第1弾の一般枠口数が150万口、第2弾は約100万口だったので最も多い口数です。

1人当たり4口を上限とした場合、最大のプレミアム額は5000円です。

サポート体制は、特に高齢者を中心に、スマホに不慣れな方には、まずはコールセンター(TEL:050-2018-3367)を作りました。携帯電話ショップ、県民局・県民センター、市町や商工会でも窓口でのサポートをします。

また、JTB三宮店に常設窓口、県内23箇所のショッピングセンター等でも出張の相談窓口を、今回新たに作る予定にしています。

「はばタンPay+」の参加店舗は、現在1万4466店舗まで拡大しており、県下各地の特にスーパーやショッピングセンターで幅広く使えます。それ以外にも、クリーニング店や飲食店でも使えることから、県下全域で日常生活に密着した形でご利用いただけます。

引き続き、物価高騰の影響を受ける県民の皆さんの生活や暮らしを少しでも応援したいと思っており、多くの県民の皆さんの申し込みをお待ちしています。

 

3番目は「尼崎フェニックス事業用地および尼崎の森中央緑地の活用に関するサウンディングの実施」です。

兵庫県では、大阪湾ベイエリア活性化の鍵を握るエリアとして、万博会場にも近い尼崎フェニックス事業用地と尼崎の森中央緑地を、万博期間まで、万博期間中、万博期間後と、事業期間を分けて、民間事業者による利活用を促進していくことが非常に大事だと思っています。

立地としては、非常に良い地域なので、最先端のものづくり企業から活用したいという話もあれば、万博期間中にいろいろなイベントや行事等の利活用もあると思います。他にも、骨太な企業立地などいろいろなニーズがあると思うので、今回サウンディングを実施します。

サウンディングの申込期間は、本日1月18日から2月26日の40日間です。質問シートの提出期限は2月26日で、サウンディング実施が3月1日からになります。

民間事業者の皆様からいろいろなアイデアを提案してもらうことで、今後の事業展開につなげていきたいと考えています。

具体的なエリアとしては、資料に記載のABCDです。ABCがフェニックス事業用地のエリアです。Aのエリアは万博の際、パークアンドバスライドの会場外駐車場に活用される予定です。

その隣のBのエリアは、すでに空飛ぶクルマのデモフライト用暫定ポートを設置し、その周辺で万博に合わせてイベントを自由に実施できる「ひょうご万博楽市・楽座」も予定しています。

Cのエリアは、かなり芝生が茂った公園で、利活用がそこまで盛んではないため、サウンディングの対象にしたいと考えています。

Dのエリアは、尼崎の森中央緑地で、すでに様々なイベントに使われていますが、さらなる活用をしていきたいと考えています。

万博期間までが第1弾、万博の期間中が第2弾、万博終了後が第3弾と期間に分けて、サウンディングを実施したいと考えています。

にぎわいづくりや最先端の産業利用、空飛ぶクルマのデモフライトも実施します。空飛ぶクルマのラボ的なもの、より最先端の半導体、蓄電池などの利活用も出てくれば良いと考えています。

サウンディングは、事業の内容、期間などの意見交換を行ないます。ぜひ多くの民間事業者にいろいろなアイデアをいただきたいと思います。

 

私からは以上です。

 

質疑応答

記者:

能登半島地震では、輪島市で大規模火災が発生しています。また、能登半島は高齢化が進んでいる地域で、避難に支援者が必要な方がたくさんいると思います。

県内でも同様の状況になる可能性もあると思います。その他にも土砂災害や河川氾濫の危険地域が県内各所にあると思いますが、改めて阪神・淡路大震災から29年経って、県内での防災面での課題はどのようなところにあると考えていますか。

 

知事:

そこが一番のこれからのポイントだと思います。阪神・淡路大震災から29年経ち、今回、能登半島で地震が起きました。

社会情勢も含めて、社会が変化している中、災害対応も新たな考え方が顕在化したと思っています。

二つポイントがあると思います。

一つが、情報通信状況が発達しており、スマートフォンでSNSなどを利活用して、皆がいろいろな情報を得ようとします。携帯電話の通信状況や充電などは非常にポイントになるのと、SNSなどで正しい情報をいかに迅速に発信していけるかが行政にも求められることから、どう強化していくか。

もう一つが災害弱者です。障害やハンディキャップをお持ちの方のみならず、高齢者や孤立リスクのある過疎地域に住んでいる方に対して、道路インフラが途絶した時に、水道も含めて、どのような支援を迅速にできるかが、大事なポイントだと思っています。

大きな問題としては、物資の支援をどのようにしていけるかです。三木の広域防災センターが、今回の地震でも物資支援の大きな拠点になっており、県内で災害が起きた場合にもそこを中心としていく想定です。

県内に民間の物流センターも結構あり、そことしっかり連携をして、災害時の物流機能をどのように確保するのかも、非常に大事なポイントだと思っています。

今回の能登半島地震の被災地に職員を派遣しているため、その支援を行いつつ、そこで得られた経験や知見をしっかり県としても受け止めるために帰庁報告なども実施していますが、それを県の中での災害対応につなげていくようにしたいと考えています。

 

記者:

阪神・淡路大震災以降に何度も災害が起きている中でも、その都度、避難所の環境の問題などが上がってくると思います。

知事から話のあった情報発信の問題や複数の課題は、どのような対策、計画の見直しを進めていくのか、今後の大きな方針を教えてください。

 

知事:

年度内から来年度に、今回の能登半島地震における課題、知見も含めて確認をして整理をし、さらなる検討をしていくための検討会の立ち上げを考えています。

先ほど述べたポイント以外にもいろいろなテーマがあると思いますが、時代の変化、過疎化・高齢化が進んだ今の兵庫の中できっちりと議論していくことが大事だと思っています。

本格的に来年度の上半期にやると思いますが、議論をして県の防災計画に反映させていく。予算や機材などが必要であれば予算化をしていきます。

9月の合同防災訓練の実施時に、今回の知見を踏まえて、例えば、水洗トイレなど、今回、顕在化した問題を過疎地域でやる場合に物資をどのように搬送するのか。ヘリやドローンなどを活用して、具体的な能登半島地震における課題をどうクリアしていくのかについてやっていきたいと思っています。

昨日の「ひょうご安全の日のつどい」でも、たくさんの県民の皆さんにお会いしましたが、兵庫県で同じように災害が起こった場合を含めて、県の方でも、県民の命と暮らしを守る対応を頑張ってくださいという声も直接いただきました。

正面からいろいろな議論をして、必要な対策や予算をやっていく。それを具体的に、災害が起こった時に対応できるような形での訓練としてやっていくことが大事だと思っています。

 

記者:

ボランティア活動支援は、2月議会に諮るとのことですが、上限20万円をどれぐらい増やそうと考えていますか。

 

知事:

少なくとも倍以上には、拡充することが大事だと思っています。

対象を5人以上としていますが、実際には10名単位などいろいろなケースが出てくると思います。交通費・宿泊以外にいろいろな資機材が要るようなニーズもあるので、そこも含めて、補正予算の中で準備をしていきたいと思っています。

 

記者:

資料のボランティア活動の制度は、既存制度ですか。

 

知事:

既存の制度です。

 

記者:

社会福祉協議会の件で、県職員の派遣という話もありましたが、どれぐらいの規模で、いつ頃から進める予定ですか。

 

知事:

今後、全国の社会福祉協議会が応援に入ると思いますが、直ちに必要だということがあれば、県から避難所支援で応援職員が6名程度行っていますが、避難所が集約されてきたこともあるかもしれませんので、数名は珠洲市の社会福祉協議会の方に派遣できないかなど、これから調整を進めるところです。

 

記者:

サウンディング調査は、にぎわいを作るような場所など、意見を集めたいということですが、にぎわいを作る場所は、例えば、広場なのか、集客できるようなアリーナなども含まれるのか、何か構想などがあれば教えてください。

 

知事:

万博期間中のイメージは、ナイトマーケットや音楽フェスができればと思っています。

万博のパークアンドライドが数千台規模になっており、万博会場から夕方ぐらいに戻ってきた場合に、ナイトマーケットなどをうまく構成できれば、兵庫県のおいしいものを食べることができれば良いと考えています。そこに大道芸人などにも来てくれれば楽しいと思っています。

城崎の国際演劇祭に行ったら、ナイトマーケットを実施していて、大道芸人などもおり、非常に盛り上がっていました。

そのような場を設ければ良いと思っています。住宅地から離れた地域なので、音楽フェスなどもニーズがあれば開催したいと思います。

そのようなイベントやナイトマーケット、マルシェ的なものを期待したいと思っています。土地がすごく広いため、幾らでも利活用できると思います。

 

記者:

資料の地図を拝見すると事業用地のBのところにマルシェなどの広場や音楽フェス的なものを持っていきたいということですか。

 

知事:

そこが中心になると思います。

「ひょうご万博楽市・楽座」が、デモフライト用暫定ポートの少し北側にあり、そこを使ってもらう形でも良いし、このエリアには土地はいくらでもあるので、集客イベントをしたいなど、そのような声があれば、どんどんやってもらえばと思っています。

パークアンドライドでかなりの人が行き来します。人が臨時的に集まるところには、いろいろなチャンスを作るべきだと思おり、イベントやマルシェを実施し、兵庫県の物産などの魅力を体験し味わってもらうことにもつなげていきたいと考えています。

万博に来場する方々のみならず、阪神間を中心とした県民の皆さんにもイベントがあれば来てもらい、新たなフェニックス埠頭のにぎわい創出の実験に繋がっていければと考えています。

 

記者:

それ以外にも産業利用という表記もありますが、どう考えていますか。

 

知事:

空飛ぶクルマのデモフライトを実施するので、例えば、空飛ぶクルマ関係のラボやメンテナンスの事業者から声があるかもしれません。

本県はものづくり産業が盛んなので、製造業関係で何かしたいという声も出てくるかもしれません。万博終了後の少し先を見据えた投資だと思います。

それ以外にも、アミューズメント関係で、何かここで投資をしてやりたいという声なども出てくれば良いと思っています。

万博会場からすごく近い立地なので、もっと利活用の仕方があるのではないかという期待が強くあります。

サウンディングをして、いろんな可能性を模索していくことをやるべきだと考えており、今回、まずはキックオフし、どのようなものが出てくるかを期待したいと思っています。

 

記者:

能登半島地震を受けての県内の防災体制でお伺いします。

能登半島地震の特徴は、道路の破損が報告会でも話題になっていましたが、県内でも物資輸送や救助に支障が出るような道路破損は考えられると思います。

その辺りを防ぐために何が必要か、現時点で考えていることがあればお聞かせください。

 

知事:

これまでも県道を中心にインフラ整備を行ってきました。

ただ、災害が起こった時には何が起こるか分かりません。どれだけ、しっかり整備をしたとしても、今回のようにがけ崩れや土砂の崩落など、道路が寸断される可能性があると思います。

その時に、どうのようにできるだけ早く物資を届けるか、道路の寸断による孤立が発生した時に物資や人を派遣していけるのかを考えていくことが大事だと思っています。

おそらく、ヘリを含めたいろいろな空中からのオペレーションの手法があると思うので、どうしていくのかを考えるのが一つのポイントかと思います。

 

記者:

過疎地域の基礎自治体の防災力や災害発生時の対応力が、能登半島でもかなり厳しい問題だと思います。

県として、県内の基礎自治体の状況を考えて、すでに取り組んでいることや今後、取り組みたいことをお聞かせください。

 

知事:

まずは、マンパワーと物資の支援です。ここは一つのポイントだと思います。

これまでも、豪雨などの災害が発生していますが、今のところは市町の災害対策本部で対応できる範囲内のものが主だったと思います。

今回の能登半島地震のように一つの自治体では対応ができない災害が起きた場合には、市役所機能や社会福祉協議会などのボランティア的な機能をしっかり維持していくことが大事だと思っています。

それから、もう一点は物資の輸送体制です。

今回、三木の広域防災センターの役割に改めて着目しました。大量の物資を備蓄しているため、毛布や生理用品も含めて物資の輸送ができています。

県内で災害が起こった場合にも、おそらく広域防災センターが中心となって物資を送り届けていく形になり、それを陸からになるのか、空からの輸送になるのか、いろいろな可能性をきちんと整理しておくことが大事だと思っています。

不足した場合には、例えば、関西広域連合から受援してもらうケース、場合によっては、県内の物流センターすごくたくさんあるので、ある意味で、民間が備蓄している状況になっているため、そことの連携をしっかり体制構築することで、物資の補給を出来るようにしていきたいと思っています。

 

記者:

過疎化や高齢化の進んでいる自治体で、被害が拡大した場合に共助が難しくなっている地域があるかもしれません。

そのようになった場合にどのような対策が必要かの検討はされているのでしょうか。

 

知事:

これから考えなければいけません。

民生委員のなり手が不足している状況もあるように、特に過疎地域でのマンパワーは、かなり脆弱になっていることが実情だと思います。

そこを、災害時に市町と連携しながら、いかにスピーディーに補填していけるのかが、重要だと思います。

これからの課題だと思います。

 

記者:

災害時や緊急時の知事の出動の考え方でお伺いします。

元旦の警戒本部が設置された時には、幹部の方が集まっていました。知事は制度上、参集の義務はありませんが、一部の職員の方から、モチベーションにつながる、リーダーシップの意味でも姿を見せることが大事ではないかとの声を聞きました。

そのあたりの考えをお聞かせください。

 

知事:

今回の津波警報が出た時には、直ちに副知事などと連絡を取って体制としてはきちんと出来ていたと考えています。

規定上、警戒本部は、防災監をトップに対応することになっており、問題がなかったと思います。

ご指摘も踏まえて、今後、いざという時に対応できるかを考えていきたいと思っています。

 

記者:

能登半島地震では、死者の公表が議論になっています。

もっと迅速な発表が必要ではないかとの意見もあれば、やはり国が指針を示すべきではないかなどの意見もあると思います。

知事は、この問題をどのように考えていますか。

 

知事:

死者の公表は、都道府県の判断に委ねられています。

石川県では、県の基準で氏名の公表には家族の同意が必要となっています。

兵庫県では、安否不明者から死者となった場合には原則公表。当初からの亡くなられた方は、遺族の同意が得られた場合に公表としています。大規模災害時には例外規定を設けており、遺族の同意の有無にもかかわらず、公表することにしているので、災害の大きさや状況によって判断することが現状です。

兵庫県の場合は、できるだけ公表することを軸にしていきたいと思います。

亡くなられている方や遺族のプライバシーにも関わることなので、各県が判断する形になっていますが、今後、今回の事案を踏まえて死亡された方の公表をどうするかを、国で改めてガイドラインなり、基準を作ることになるのであれば、そこをしっかりと議論して欲しいと思っています。

 

記者:

大規模災害など、状況に応じて同意がなくても公表する場合もあるとのことですが、公表する必要があると知事が考える理由をお聞かせください。

 

知事:

大規模災害で広域被害が出た場合など、親族を含めて、状況を早く把握したいというような思いをお持ちの場合もあると思います。

そこは速やかに公表することも、判断としてあると思っています。

災害の程度や状況を見ながら判断をしていく形になると思います。

 

記者:

能登半島地震を踏まえた検討会は、どのようなメンバーをイメージしているのでしょうか。

また、9月の大規模災害訓練時に、その検討結果を踏まえた訓練にしたいとのことですが、その時点で検討会があるのか、それともさらに先を見据えた防災計画を作るための検討会になるのか、イメージを教えてください。

 

知事:

メンバーやスケジュールの詳細はこれからの議論になります。

防災計画は、毎年度、見直しをしていますが、今回、大きな災害が起きたことで、特に過疎地域を含めた問題を集中的に議論、検討する場を作りたいと考えています。

メンバーは、兵庫県立大学や神戸大学の避難所対応や災害時の情報発信のリスク管理の知見を持っている先生方がいるので、そのような方々に入っていただき、議論をして対応につなげていくイメージです。

これは9月の防災訓練に間に合えば反映し、その時点で終わりではなく、当然1年程度かけて議論しながら、防災計画に反映していきます。

必要があれば、令和7年度の予算にもつなげていくことも考えています。

 

記者:

検討会のメンバーには、カウンターパートで同じように珠洲市に支援をしている神戸市や他の自治体の人がオブザーバー的に入ることもあるのでしょうか。

 

知事:

県全体の防災計画になるので、神戸市も含めた市町で、一緒に議論し共有していきたいと思います。

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