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新年明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
今回は、阪神・淡路大震災から本年で30年を迎えるにあたり、防災・減災についてお話させていただきます。
平成7年1月17日、当時、私は神戸市兵庫区の賃貸住宅で暮らしていました。ドンという大きな衝撃の後、激しい横揺れが続き、建物は全壊しました。倒壊からは逃れたものの、建物は斜めに傾き、室内は激しく損壊し、玄関ドアを押しても全く動きませんでした。それを何とか道具を使ってこじ開け、斜めに傾いた階段を降りて脱出しました。近くの倒壊した家屋からは既に火の手が上がり、周囲にはガスの臭いが立ちこめてきました。進入路は倒壊家屋で塞がれていたので、自家用車をおいて、家族を連れ、着の身着のままで、とにかく急いで避難しました。北西に十数キロ歩き、その日から親戚の家で避難生活を送ることになりました。
神戸市営地下鉄は、翌日には板宿駅まで復旧したことから、板宿駅から県庁まで徒歩で通勤しました。はじめて須磨区~長田区~兵庫区~中央区と歩いたとき、至るところで建物が倒壊し、焼け落ち、瓦礫と化した光景が目に飛び込んできました。そして人が亡くなっている現場にも何度も遭遇しました。改めて被害の甚大さを目の当たりにし、絶望感に激しいショックを受けるとともに、自然災害を前に人間が如何に無力であるかを改めて思い知らされ、涙を堪えることができませんでした。
あれから30年、多くの制度等が見直され、改善され、地域の防災力が飛躍的に向上しました。震災によって市民やボランティアによる自助・共助が注目されたことを受け、平成15年に誕生した「防災士」の認証登録者は、昨年11月で累計30万人に達し、兵庫県内では1万人を超えました。また、平成17年には、震災の教訓を踏まえ、平常時から資金を寄せ合うことにより、災害発生時に被害を受けた住宅の再建・補修を支援する「住宅再建共済制度」をスタートしました。洪水や土砂災害等に関するハザードマップも整備され、地域での防災訓練も頻繁に実施されています。
それでも、自然災害の発生を防ぐことはできません。我々は災害にどう向き合っていくか、大自然の驚異を突き付けられた記憶と、そこから得た教訓を生かし、そして新しい世代に伝えていかねばなりません。あの震災を経験した県職員も随分少なくなりました。どうしても人の記憶も薄れていきます。阪神・淡路大震災から30年を迎えるにあたり、防災・減災について、地域で、職場や学校で、家族で改めて話し合い、点検し、次なる災害にしっかり備えましょう。
~阪神・淡路大震災30年事業“阪神北ぼうさいミーテイング”~
本年1月11日(土曜日)13時~、伊丹市立図書館ことば蔵(多目的室1・2)にて、「ひょうご安全の日」阪神北地域のつどい“阪神北ぼうさいミーティング”を開催します。
このイベントでは、地域の子供達に参加してもらい「学ぼう災かるた大会」を実施します。防災の教訓を記した「学ぼう災かるた」について、子供達の意見をもとにリニューアルし、遊びながら防災の知識を学んでいきます。
また、基調講演では、人と防災未来センターから山﨑真梨子研究員を招き、「災害時における要配慮者の支援」と題して、災害時に支援を必要としている人への対応方法や、日頃の備え、命を守る避難行動などのお話をさせていただきます。
▲山﨑真梨子研究員 |
福祉系大学を卒業後、市職員として福祉・防災・広報部局に所属。退職後、人と防災未来センターの研究員に。現在は、地域の防災力向上や行政の初動対応などに関する研究を行っている。 |
あわせて、阪神北地域の防災士、防災リーダーの会の会員が集い、活動報告や意見交換を行い、一層の地域防災力の向上を図っていきます。
~「ひょうご防災ネット」「C.G.ハザードマップ」~
阪神北県民局長 宮口 美範
お問い合わせ
部署名:阪神北県民局総務企画室総務防災課
電話:0797-83-3101(代表)
FAX:0797-86-4379
Eメール:hanshinksom@pref.hyogo.lg.jp