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ようこそ知事室へ
【発表項目】
知事:
1番目は「新型コロナウイルス感染症の県内の患者の状況等」です。
本日の新規感染者数は606人で、対前週比では450人ほど(457人)の減になっています。
第8波もかなり落ち着いてきたか、という状況です。
昨日の県立高校での卒業式でも、マスクを外す場面も出てきたということ、それから今月からはマスク着用が緩和されることもあり、コロナの状況もかなり変わってきている、と考えています。
今日、3月1日は、ちょうど3年前のこの日に県内で初感染が確認されました。長きにわたりコロナ対応に従事してきた医療関係者、保健所の関係者を含め、県民の皆さんにも、改めてこの間の対応、尽力に敬意を表し、感謝を申し上げます。
この間、コロナ対策本部会議を開催しながら、医師会をはじめ関係者の皆さんから、様々な緊急事態措置、まん延防止等重点措置などをしてきましたが、なんとか、この第8波まで来て、いよいよ2類相当から5類への切り換えが5月には予定されています。
国からの今後の方針、財政的な支援なども踏まえ、今後どうするのかということは、3月中に対策本部会議を開き、県としての方針を定めていきたい、と思っています。
いずれにしましても、ウィズコロナ型の社会にこれから進んでいきますので、引き続き、県民の皆さんと共に歩んでいきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。
2番目は「ひょうごリトルベビーハンドブックの完成・配布」です。
1500グラム未満で生まれた赤ちゃんは、いわゆる極低出生体重児と定められています。
母子健康手帳が通常配られますが、極低出生体重児の場合は記載がしづらいことや、いろいろな表現が精神的な負担となること。また、いろいろなサポートセンター、サポートの仕組み、それから、先輩のお母さんの体験談などを盛り込むこともたいへん重要とのことで、兵庫県として、このたび「ひょうごリトルベビーハンドブック」を作成しました。
先ほど、当事者団体である「Smile リトルベビーサークル Hyogo」の代表者、それから(国際母子手帳委員会事務局長の)板東さんと面談をしたところです。母子健康手帳の見直しは国でも検討されていて、多様性への配慮が大事になっている、ということです。
全国の都道府県でも、リトルベビーハンドブックの作成が進んでおり、兵庫県では昨年9月に暫定版を掲載しましたが、このたび、「Smile リトルベビーサークル Hyogo」の協力を得てハンドブックを作成し、手渡ししたところです。
令和5年4月から病院、県立病院などに配布を開始します。一方で、本日から県のホームページにも掲載し、ダウンロードが可能です。
もちろん、今日以降、4月1日より前であっても、希望する保護者に対しては、この冊子を配布したい、と考えています。
のちほど見てもらえれば、と思いますが、子育ての状況に応じて、いろいろな相談や支援を紹介するQRコードも掲載しています。また、先輩のお母さんたちのメッセージなども入れています。
これから、県内12カ所の周産期母子医療センター、それから、市町の担当部局にも配付し、活用してもらいたいと思います。
最後に、今回ハンドブックの作成にあたり、多くの関係者の協力、尽力に改めてお礼を申し上げます。
3番目は「子どものスマホ適切な利用推進プロジェクト等に基づく取組」です。
コロナ禍もあり、低年齢にもスマホの利用が進んでいるところで、子どもの健康への影響も懸念されています。私自身も子どもを育てていますが、いろいろなところで、スマホ、YouTubeなどを見て過ごす時間が長くなっている子どもが増えている、と聞きます。
昨年7月に庁内横断のプロジェクトチームを設置し、眼科医、整形外科も含めた医療関係者にも参画してもらい、対応策について検討してきました。年度内にガイドラインをまとめ、3月22日にアドバイザーと意見交換しながら(私へ)手交してもらうことになりました。
ガイドラインは最終的にとりまとめ中ですが、今日発表するのは、まずはネット広告による啓発を行う、ということです。
今日から配信を開始しますが、過度なスマホの利用による健康被害を防止したり、最近ネット課金のゲームなどで、子どもたちを含めていろいろなトラブルが出ている、ということと、SNSに起因する性犯罪に巻き込まれる子どもたちが増えているので、この3つをテーマにして啓発をしていきます。
TikTokのクリエイター数名に協力してもらい啓発動画を作成し、ポップアップできるようなネット広告の仕組みを活用しながら、主に中学生、高校生、保護者にも閲覧してもらえるような、そうした仕掛けを作りたい、というのが一つです。
次に、フォーラムの開催です。3月29日に公館で、適切なスマホ利用に関するフォーラムを開催します。医療アドバイザーからの講話や、いろいろなワークショップを、中高生を中心に、大学生も含めて開催したいと考えています。
最後に、令和5年度の取組について。今回作成するガイドラインを充実、さらに啓発していきます。それから、すでに実施していますが、スマホに関するサミット、オフラインキャンプも含めて、していきます。
3月29日の詳細についてはまた後日、お知らせします。いずれにしても、家族や親子でスマホとのつきあい方を考える機会にしたい、と考えていますので、よろしくお願いします。
TikTokの動画については、また見てもらえればと思いますが、「しいな」さんというクリエイターのものは、コミカルなやりとりを通じて、スマホを使い過ぎないでね、とお父さんが子どもに諭している、という内容です。テーマごとに「現役女子高生のびちゃ。」さんなど6名のクリエイターに発信の手伝いをしてもらっています。改めてお礼を申し上げます。
4番目は「兵庫県公立大学法人の理事長予定者の決定」です。
今年度末をもって任期満了となる五百旗頭理事長の後任として、今回、株式会社ノーリツの会長を務めている國井総一郎さんに、4月1日付で新たな理事長として就任をお願いすることにしました。
國井さんのプロフィールについては、資料のとおり、兵庫県出身で、旧姫路工業大学、今の兵庫県立大学の出身です。
県内に本社を置く企業の経営者としての経営感覚、そして、海外事業を展開するなど国際感覚にも優れています。
現在、同大学法人の経営審議会の委員も務めており、大学の内情にも精通しています。さらに、OBとして強い愛校心もあります。出身も小野市で、県に対する深い愛着心を持っている。私としては、リーダーシップ、そして見識ともに、國井さんが適任者だと考えています。
五百旗頭理事長には、平成30年4月から約2期、5年にわたり、理事長を務めてもらいました。国際的な深い見識から、専門職大学の開学をはじめとする、大学の法人経営にリーダーシップを発揮してもらいました。改めてお礼を申し上げます。五百旗頭先生には、引き続き、ひょうご震災記念21世紀研究機構の理事長として、阪神・淡路大震災の経験と教訓を繋いでいく、ということに力を発揮してもらいたい、と思っています。
私からは以上です。
記者:
2点質問します。
1つ目は、コロナ対応について。3月13日にはマスクの着用が個人判断となりますが、3月中に予定している対策本部会議は、いつ頃開く考えですか。
2つ目は、その際の論点について教えてください。
知事:
開催時期については、まだ調整中です。
3月13日の前後なのかも含めて、まだ決まっていません。また決まり次第、お伝えします。
それから、論点については、来年度、5月に2類相当から5類への変更が予定されているので、それに合わせて、医療提供体制や保健所体制などをどのようにしていくのか。医療提供体制の中には、入院医療の関係と外来の体制があります。今まで確保してきた専門の病床や外来を今後、国の方針も踏まえながら、どのようにしていくのかなど、大きな方向性を決める予定です。
あとは、保健所の体制について、コロナ対応で専門部署も作りましたが、その体制が引き続き必要なのかどうか。それから、保健所が中心となってしていた入院調整などの様々な機能を含めて、引き続きどうするのか、その方向性を出していく予定です。
記者:
マスク着用について。3月13日に個人判断となる予定ですが、県として何かしらのガイドラインを出す可能性はありますか。
知事:
今のところ、3月13日からマスクの着用が個人の判断となるということで、それ以上のガイドラインを出すのかについては、今後の検討次第です。私自身がどうするのかも含めてです。
記者:
県公立大学法人の理事長予定者決定について。これまで、民間経営者が理事長に就任するケースはありましたか。
知事:
兵庫県公立大学法人として初になります。
初代の理事長兼学長が清原先生で、学識者です。次に井戸知事が兼務し、そのあとは五百旗頭先生です。したがって、民間の経営者が理事長に就任するのは兵庫県として初のことです。
やはり、大学の経営には学識経験者であることも非常に大事なポイントです。その一方で、県立大学は姫路工業大学の流れを受けて非常に理系が強いという面もあります。そういった意味で、これからの時代は民間の経営視点が必要です。
民間の経営視点をしっかりと取り入れて、その技術的な発信や基礎・応用研究を強くしていくこと。民間のビジネスという実業との産学連携が、とても大事なポイントになります。
それから、文系や理系の学生を問わず、やはり国際的な視点や視野を育む教育がとても大事です。
それには、ビジネスや起業、アントレプレナーシップなど、いろいろな経営的視点も含まれるかと思います。そういった意味で、民間の経営者として、一線で、(株)ノーリツという会社の大きな成長を牽引してきた國井さんに、ぜひ民間マインドを持って、大学法人の経営改革をしてもらいたい、という思いがあります。
記者:
公立大学法人の理事長について。県立大学だけではなく、芸術文化観光専門職大学もマネジメントする、という理解でよいですか。
知事:
そうです。全体の理事長になります。公立大学法人全体のマネジメントなので、専門職大学の経営もしてもらうことになります。
記者:
(理事長予定者は)専門職大学とは少し毛色が違うように思うのですが。そこはどのように考えていますか。
知事:
これまでにも、民間マインドで大学法人の経営審議会の委員として、いろいろと大学の経営をしっかりと見ているので、その視点を大学の経営の中に入れていく必要があると考えます。合理的にすべきところと、コストを伴ってすべきところをしっかりと見定めることができる、とても高い見識を持っています。
芸術文化は兵庫県の大事な一つの方向性です。それを今、但馬で平田学長の下で進めていますが、そこを今後もしっかりと応援していってほしいです。
また、芸術は観光に繋がる面もあり、そこからビジネスにも繋がります。
そういった意味でも手腕を発揮してもらえる余地は大きくあるのではないか、と思っています。
記者:
公立大学法人の理事長予定者の決定について。大学経営に民間経営者を入れ、その民間視点によって、大学のどのような課題が、どう解決できるのかを具体的に教えてください。
知事:
(課題は)やはり少子化の影響です。日本全体の成長力が少し弱まっている中で、大事なのはやはり教育や研究の活性化です。
県内にはいろいろな大学がありますが、県が経営の主体となっているのが県立大学と芸術文化観光専門職大学です。そこが教育、競争力のレベルアップや国際的な教育を提供できる力を育んでいくことが大事です。
特に、水素や半導体などは県立大学がすごく強い分野です。SPring-8、ニュースバルを中心に研究開発が進んでいますが、そういったところをもっと伸ばしつつ、産学官の連携を大事にしていく。
國井さんは民間の事業者であり、かつ理系の出身で、(株)ノーリツ自体はガスなどの高エネルギー分野の会社です。そういった水素やアンモニア、メタネーション、半導体などを含めた技術面でも、大学のさらなる成長と発展に寄与してもらいたい。
それにより、県のものづくりが活性化していくことや、競争力をつけていくことにも繋げてもらいたい、と思っています。
それからもう1点はグローバル化です。
学生やビジネスパーソンが、これから兵庫県を舞台に、国際的に活躍できる人材になるように、県が育てていくことが大事です。県立高校をはじめとする高校のレベルアップについては、今年度、しっかりと何が重要なのかを検討していきます。その次の流れとして、大学でのグローバル教育がすごく大事になります。
そういったニーズと、グローバルな視点で経営もしてきた國井さんの手腕が、まさにマッチしていると考えていて、期待しているところです。
記者:
フィールドパビリオンについて。先日、第一次認定として113件が(プログラムに)認定されましたが、かなり多いという印象です。そのうち約半分は新しく始めるもので、中にはこれまで観光に関わったことのない人が担うものもあります。
これだけたくさんの数を認定して、外国人も行きたいと思えるようなレベルにまで、フィールドパビリオンの質を高めていけるのでしょうか。知事の考えを教えてください。
知事:
今回のフィールドパビリオンは、どなたでも応募してください、としています。万博に参画したいという思いを持つ人が、個人や法人を問わず、たくさんいます。その中でやりたいという意欲を持つ人に対しては、しっかりと兵庫県として門戸を開いてサポートしていきたい、というのが、今回のフィールドパビリオンの一つの趣旨です。
今回、120件を超える応募に対して、基本的に多くを認定し、認定から漏れたところに対しても、いろいろとサポートをしていきたい、と思っています。
大事なのは、これからです。
指摘のとおり、一つひとつのプログラムは、まだまだ完成に向けて取組が必要な場面がすごく多いかと思います。それを一緒になって、伴走型で磨き上げていくことが、このフィールドパビリオンの大きな趣旨でもありますので、そのプロセスがこれから大事になります。
万博まで約2年です。今年1年かけて、まずはコアメンバーを中心に、それぞれの取組を一つひとつ丁寧に見ていきたい、と思っています。彼らの中で、世界に発信できるテーマとしては何があるのか、をもっと突き詰めていくことが大事です。
一般的な観光の体験型ツアーで終わるというよりも、フィールドパビリオンは、どこか一つへ行くとして、何がテーマで、人類共通の社会課題解決策として発信できるのか。各コンテンツにおいて、兵庫県ならではの唯一性と普遍性のポイントを探していくことが、すごく大事だと考えています。
例えば、コウノトリ関係のエントリーもありました。絶滅危惧種の保存や、自然環境が非常に破壊されていることは、世界の、人類共通の課題です。コウノトリの場合には、コウノトリを育むお米をコンセプトとして、エサ場作りともタイアップすることで、自然の保護と野生復帰を応援することと同時に、主要産業であるお米の値段を上げる、ブランディングと所得の向上にも繋がりました。
そういった(人類共通の課題への)取組と経済活動の活性化を両立できるものが、兵庫モデルとして実施できました。これはもしかすると、世界に発信できるのかもしれません。
例えば、絶滅が危惧されているゾウについて。昔はそれを狩猟することで生計を立てていたものを、保護のプログラムにする。例えば、ツアーとして見せれば、その地域の雇用にも繋がります。そういったエコツーリズムのモデルとして、兵庫県が発信できるのではないか。
個々のコンテンツを、唯一で普遍性があるものに磨き上げて、世界に向けて発信していけるのかどうかが、これからのテーマです。
それを具体的な観光のツアーとして、いかに組み込んでいけるのかも、2つ目の課題となります。
したがって、120という数はかなり大変ですが、これから2年間かけて、しっかりと挑戦していきたい、と思っています。
記者:
それでは、今回認定した113件は、最後までプログラムとして形になるまで、しっかりと世話をする、ということですか。
知事:
はい。120件のエントリーがあり、今回は(プログラムとして)113件という形になりますが、皆さんと一緒になって、万博に向けて走り抜けていきたいという思いを持つ、意欲のある人たちに集まってもらったので、一定の方向性が出せると思っています。
そこのところは、チャレンジが大事なので、伴走型で支援をしていきます。
記者:
個々のプログラムは、どのぐらい手厚くサポートできるのでしょうか。
知事:
基本的には一つひとつを伴走型で見ていくことになります。
イメージとしては、プレイヤーの、応募した人たちの、発信したい視点と、万博のテーマである人類共通の諸課題の解決策における普遍性の、その両方をうまく組み合わせて、一つの発信の姿を作っていくことです。
そこはやはり有識者の視点ももらいながら、一緒に、一つひとつのコンテンツを磨き上げていく。一つのカルテを作っていくような作業を、一つひとつしていかなければなりません。
120件ほどであれば、何とかできるのではないか、と思います。
記者:
トルコ地震の支援について。本日午前、トルコ地震の支援に行ったNGOと知事が面会し、支援策について話し合いをしましたが、その中で知事は、ふるさと納税の制度で、県外からの寄附が多いという話もしていました。
それがどれぐらいの割合か、分かれば教えてください。分からない場合でも、県外からの寄附が多いということは、一定の、兵庫の支援に対する全国的な期待がある、とも受け取れます。知事としては、どう受け止めているのか伺います。
その上で、改めてどういった支援を、今後していきたいのかについても、伺います。
知事:
今日、CODE海外災害援助市民センターの人たちと意見交換をしました。
今、ふるさとひょうご寄附金、いわゆるふるさと納税による寄附は、どんどんと増えてきており、今日時点で、約488万円となっています。
その内訳として、金額ベースでは、県内と県外がほぼ1対1、約240万円ずつです。ただ、件数では、県内が120件に対して、県外が265件で、県外からの寄附が件数ベースでは圧倒的で、倍以上になっています。
ウクライナ支援の際もそうでしたが、県外から、兵庫県の趣旨に賛同し、寄附をしてくれた人がかなり多かったのです。
ふるさと納税の趣旨からして、兵庫県外の人が寄附をする傾向が強いのかとは思いますが。最近は、ネット記事やSNSを通じた拡散によって、非常に多くの人たちが、こういった被災地であったり、そういったところへの支援をしたい、との思いを持っている人の、受け皿になっているのではないか、と思っています。
今の時点で500万円弱ですが、これから息の長い支援を、今日面会したCODEも、やはり2回、3回と(現地に)入っていかなければならないだろう、ということでしたので。そういった意味では、より多くの寄附、協力をしてもらいたい、と思っています。
どういう支援をしていくのか、という点は、まさにこれから、CODEをはじめ関係者と連携しながらです。今日も話がありました、心のケア、それから、仮設住宅などのコミュニティー見守り支援等。そういった活動がポイントではないか、という話でした。
これは、現地のボランティア団体との連携が必要ですし、そこに兵庫の経験を体系的に伝えていくことも必要かと。あとは、創造的復興というコンセプトで、今日の面会でも言われていましたが、学生同士の交流の機会を新たに作っていくことも、一つのソフト面での大きなポイントか、と思っています。
記者:
ひょうごリトルベビーハンドブックについて、先ほど手交式が行われました。改めて、どのようにこれを使ってほしいのか、期待を教えてください。
知事:
このたび、低出生体重児の子どもの成長を記録できるリトルベビーハンドブックを、兵庫県版として作成しました。
本日話を伺いましたが、小さな体重で生まれた子どものお母さんは、すごく不安であるということ、そして孤独だと思います。その時に、リトルベビーハンドブックが1冊あるだけで、我が子の成長の記録を記すことができますし。
資料に記載のとおり、先輩ママからのメッセージが書かれています。「(妊娠週数)25週4日548グラムで出産しました。その娘も、春に小学校入学します」、「苦しい時は一緒なので、どうぞ抱え込まず」などのメッセージがいろいろと、38ページ以降に書いてあります。
それ以外にも、サポートするクラブや枠組みについてもQRコードで紹介しています。そういったお母さんたちを含めて、悩んでいる人をサポートする一つのきっかけとして、リトルベビーハンドブックが活用されればよい、と思っています。
意見交換の中で、経済的な支援や、制度としての休暇の充実、あとはサポートするネットワークの充実の必要性など、いろいろと論点も話してもらいました。リトルベビーハンドブックをきっかけにして、いろいろな支援の輪づくりを、兵庫県としても、これも大事な子育て施策の一環ですから。
3万5000人の1年当たり出生数のうちの0.7%ということで、300人ほどの子どもたちですが、そういった子どもたちの保護者も含めたサポートをしっかりとしていくことが、誰ひとり取り残さない社会としての、兵庫県の役割だと思っています。
記者:
(公立大学法人の)人事について。狙いとしては、理系分野の強化や国際的な発信、国際力の強化などだと思います。大学には、国内もそうですし、国際的な競争力が必要になってきているかと思います。
そうした点について、國井さんに対して、大学の競争力の強化という点では、どのようなところを期待しますか。
知事:
先ほども少し述べましたが、水素や半導体、蓄電池をはじめとするものづくりの分野で、兵庫県がより競争力を持っていくために、県立大学の研究開発は非常に大事なポイントです。
リーダーシップを発揮してもらい、産学官の連携を作っていってほしい。それが、兵庫県のものづくり産業の競争力の強化、ひいては雇用の増加にも繋がっていく、と思います。
それから、グローバル教育ということで、兵庫県から国際的に活躍してもらえる人材を、もっと育てていくことが大事だと思っています。その意味で、國井さんの視点に期待しています。
また、大学関係者と話していると、大学運営の予算について、外部資金の獲得がすごく大事になっていて、県からの運営交付金等とは別に、自分たちで、例えば、研究開発費などを獲得していくことがすごく大事になります。
その際に、企業との共同研究なども、すごく大事なポイントになります。國井さんは民間出身ですので、そういった企業との共同研究費など、外部資金を獲得していくところの手腕も、大学の経営改善にも繋がりますから、期待したいと思います。
記者:
大阪の公立大学法人も、今度からパナソニック出身の民間人を、と聞いています。今回の県立大学の人事に関して、そういったところを参考に、意識したところがあるのか、そのあたりはいかがですか。
知事:
大阪の公立学校法人を参考にしたわけではありません。
全国的に見ると、(公立大学法人の理事長は)学識経験者と行政経験者が多いのですが、最近は民間の経営者出身の理事長が増えてきている傾向ですから、そういったトレンドも一つあるかと思います。
これから目指すべき大学法人の方向性を考えた際に、民間マインドを持っている人が、その経営トップに来てもらうことが、兵庫県にとってはすごく大事だと思い、今回の人選をしました。
記者:
フィードパビリオンについて、他の記者からも113件というのは多いのではないかとの指摘があり、私自身、記者ですが市民の立場としても、100のコンテンツを見ることができるのか。探すのも大変ですし、その発信の仕方が難しいのではないか。国内や国外の人に、そのコンテンツをどのように見つけてもらうのか、数が多い、と思います。
今後、発信の仕方として、どのようなことを考えているのでしょうか。
知事:
これから3月中に、120件程度の中からプレミア・プロジェクトを10件程度セレクトしていきます。そこで、兵庫の独自性・優位性をより際立って発信できるものをセレクトしていく中で、国内外に対する発信力を強めていきたい、と思っています。
120件が多いかどうかというと、多いのかもしれませんが、そこはしっかりと一緒になって磨き上げをしていかなければならない、と考えています。まずは、コンテンツの磨き上げ。ここが重要なポイントになります。
まずは、今年1年かけて磨き上げていき、磨き上げを一緒にすることで、自ずと光を発すれば、それが発信力に繋がってきて、おもしろそうな取組だ、と映ってくると思います。
同時に、トッププロモーションや海外への発信も、いろいろな形で実施します。まずはこの1年間で、しっかりと進めていきたい、と思っています。
記者:
どのように磨き上げていくのかが、今ひとつイメージがわかないところがあります。県の狙いとして、SDGsというテーマ性や、地域でのストーリー性を発信していきたい気持ち・狙いは分かりますが。
では、国外の人はともかく、少なくとも国内の人がそれで来てもらえるのか、という現実的なことを考えると、磨き上げはどうもピンときません。
何かしらの特別感、「プレミア(・プロジェクト)」を選ぶということですが、「そこに行けば、特別な経験が得られるのではないか」というものが無いと、国内の人達には足を運んでもらえないのではないか、と思います。
そういう意味で、コンテンツをどのように磨き上げるのかについて、もう少し具体的に、何をどう磨き上げていくのか、教えてください。
知事:
2つあると思います。
1つが、世界や国内での社会課題の解決に対する普遍性、というテーマをしっかりと持つことだと思います。そして、それを説明して理解してもらえるような、そうした形になるよう、まずはストーリーを定めることだと思います。
もう1点は、そこを体験できるアクティビティをどのようにしていくのか、が大事です。例えば、朝来のツーリズムであれば、E-bikeを使っていろいろと回っていくなど、そういった具体的に楽しめるアクティビティをどのように作っていくのか。
アクティビティの中には食もあります。但馬牛であれば、ストーリーを感じた後で食べたり、日本酒も飲めるという、五感で感じてもらえるようなプログラム。要は、ストーリーの普遍性・唯一性で、理解をしてもらった後に、人間の大事な五感で感じてもらう。
バーチャルの世界、アバターやVR、メタバースといったところも大事ですが、人間の一番大事なのは、やはり五感でいかに感じるかというところです。自然もあれば食もあり、いろいろな文化、ストーリーもある。五感にいかに訴えかけていくのかが、兵庫県の、リアルなフィールドを持っている強みだ、と思います。
万博の会場は、人工的にパビリオンを作るところですが、そこでの体験に加えて、リアルな世界として、兵庫県に来れば、五感に感じるものがある、と伝えることが大事です。
記者:
知事が話していることは分かります。社会課題や体験型アクティビティという点は理解しますが、すでに県としてテロワール旅など、かなり進めてきたものだと思います。
昨日も審査委員長に質問しましたが、少し言い方が悪いのですが、既視感があるというのか、もう既に実施しているプログラムが相当数あると見ていて、そこについては、委員長もそのとおりです、と答えていました。
そこで、フィールドパビリオンとして来てもらおうとするのであれば、それをもっと一歩超えて、プラスアルファで、変わった取組ができるということがなければ、少なくとも国内の人には、足を運ぶだけのインセンティブにはならないのではないか、と思います。
インセンティブをどう付けるのか、磨き上げていくのか、そのあたりが大事だと思いますが、知事としてはいかがですか。
知事:
それが大事です。それをしていきたい、と思っています。それをしていくことが磨き上げです。
いわゆる売れ線や、すごく有名なコンテンツではないところで、何かを作り出して、発信していきたいというのが、このフィールドパビリオンの根底にあるものです。
例えば、何かのテーマパークであれば、分かりやすくてよいのですが、そうではない領域で、兵庫県には、よりすばらしいものがあるということを、掘り起こして、発信していきたいということです。
テロワール旅と本質的に同じことももちろんありますが。これから、一つひとつのコンテンツに時間をかけて、じっくり、じっくりと言っても2年ほどしかありませんが、磨き上げていき、唯一性のあるアクティビティなり、ここに来なければ楽しめない、味わえないもの、非日常の空間や体験をいかに提供できるか、ということだと思います。
酒づくりや田植えなども、我々は何となく分かっているつもりですが、実際に体験することはあまりないので、そういった体験の場所を提供できることが大事です。
記者:
そうすると、先ほどの他社の質問にもありましたが、真新しいものばかりではないにしても、やはり100件以上もあるわけですから、一つひとつ支援をするのは難しいと思います。
必要なところには支援をしていかなければ、コンテンツの磨き上げには繋がらないのではないか。やはり、(対象を)絞って支援する考えはないのかについて、教えてください。
知事:
プレミアムなものを10件程度は選定しますが、今、120件弱の応募については、皆さんと一緒になって進めていきたいという思いがあるので、絞ってということは、今のところはありません。
すべての応募コンテンツをよいものに仕上げていくために、限られた時間ですが、できるだけ挑戦していきたい、という思いを理解してもらえればと思います。
これが1000件や2000件であれば、なかなか、さすがに難しいのですが、120件弱であれば、一つひとつ見ていくべきだと思います。
記者:
フィールドパビリオンについて。数多くのプログラムがあり、それぞれのプログラムを作る人の、それぞれの目的がかなり多様ではないかと思います。
万博に合わせてということで、万博が最近はビジネスの場にもなっていることを考えると、場合によっては、ビジネスへの発展ということを目指して、フィールドパビリオンに応募する人もいるでしょう。むしろ、地域の魅力をもう一度、地域の人に知ってもらう意味で、取り組みたいという人もまたいる。それぞれに目的が、100件を超える中で、あろうかと思います。
まず、知事としては、何か統一的な目的というものがあるのか。
そして、地域ごとの、プログラムごとの目的をどの程度、尊重したいと思っているのか。
さらに、ビジネスへの、地域経済への貢献と言いますか、ビジネスとして発展させたいなど、そういった狙いもあるのか。
そして、実際にプログラムごとに目標数値のようなものを設ける可能性があるのかについて、伺います。
知事:
「ひょうごフィールドパビリオン」として、100件を超えるコンテンツという形になりましたが、これが多いのか、少ないのかということは、なかなか一概には言えないところです。
兵庫県はやはり県土が広いので、また、多様性が兵庫県の一つの魅力でもあるので、何かに絞っていくなどはなかなか難しい、というのは先の質問への回答にも重なります。
やはり、SDGsを切り口にした磨き上げもそうですが、チャレンジしたいという人を応援していきたいと思っています。
共通するテーマとしては、それぞれのプレイヤーが、日常、実践している取組自体が、何かの社会課題をターゲットにして、それを解決していこうという取組なので、その取組を発信していくということです。
地場産業であれば、やはり、播州織もそうですが、非常に産地の経営は厳しいと。その中でも、後継者の問題であったり、産地の売上をどのように、新たな取組をすることで、産地全体の播州織という産業としての持続可能性を、どのように追求していくのか。このプロセス自体が、すごく大事な普遍性であると思います。それぞれの取組を、そういった観点から整理して発信していきたい、これがこの「ひょうごフィールドパビリオン」の一つの思いで、それを世界に対して、兵庫県が発信するものにしたい。
これから進めていく中で、産業の持続可能性であれば、例えば、播州織や三木の刃物が売れるということで、売上によって産業の持続可能性ももちろん生み出されていく。ビジネスマッチングも当然にあり、売上など、産業の活性化に繋げていくことも、もちろんしていかなければならない、と思っています。
それから、もう1点のKPI(目標数値など)の関係は、これから、来訪者数とするのか、認知度なのかを含めて、設定はしなければならない、と思っています。
記者:
万博と言えば、ミラノ万博の日本館で、コウノトリがメインとなって、それがコウノトリ米を兵庫から輸出する取組の一環として、注目されたことがありました。
そういったものが、大阪・関西万博でも出てくればよいという思いは、このフィールドパビリオンの中には、あるのでしょうか。
知事:
万博の会場にも、関西棟の中に兵庫のパビリオンを作りますが、そこを一つの導入口にして、兵庫県のいろいろなフィールドで実践されている取組が、日本を代表するような取組として、注目を集めることができれば、と思っています。
但馬の牛もそうですし、コウノトリの取組もそうですが、いろいろな唯一性、普遍性、これは兵庫から世界に発信できるコンテンツだ、となっていくことを増やしていきたい、というのが私の思いです。
それがインバウンドや、いろいろな産業活性化にも繋がっていく、というものにしたい。そういったものが、兵庫県にはまだまだあるのではないか、と私は思っていて、それをしっかりと掘り起こして、発信していくことが、私が知事になった際の一つの思いです。
その一つの取組として、万博を機会に、この「ひょうごフィールドパビリオン」というものを進めていきたい、それが公約の狙いで、そこをしっかりと進めていきたい。
ただ、これはチャレンジングな領域です。皆さんが今まで兵庫と言えばこういった観光地や取組だ、というもの以外にも、いろいろと含みながら進めていきます。
出口が見えないとの指摘は、議会でもありましたが、それは本当にそのとおりで、我々自身も実は、その出口が何なのかというところも、探りながら進めている状況です。何か完成形が、仕上がりの姿が見えているわけではなくて、私たちも万博の担当部局と、ある意味で喧々諤々の議論をしながら、仕上げていっているところです。
そこは、プロセスをしっかりと説明しながらも、できるだけよい姿となるように、これから2年をかけて進めていく。
少し説明が長くなりましたが、万博がゴールではなくて、万博までにしっかりと仕上げながら、ひょうごフィールドパビリオン的な要素を、アフター万博でも、しっかりとそれを誘客など、いろいろな活性化に繋げていきたい、というのが最終的なゴールでもあります。
記者:
かなり昔になりますが、一村一品運動というものが大分県であり、農産物など目に見えるものを、それぞれの地域から出していこうという取組で、全国的に注目されました。
それは、ものなので見えやすかったということもありますが、その際には、かなり県が販路開拓や生産設備等に財政的な支援を行いました。
今回の場合は、そのあたりの予算措置について。知事はもともと、地域の自主的な取組で、とのスタンスで臨んでいますが。どういった支援、財政的な支援を行っていくのか、目に見えるものではないので、ソフト面の支援をしていくのか、どちらに重点を置きたいと考えていますか。
知事:
今回の特色の一つとして、募集にあたり何か財政的なインセンティブ、これをすることで何か補助が出るなどは一切ありません。一村一品運動のような、行政主体で進めるのではなくて、民間や、地域の方々の発意で、というのが一つのポイントです。
それを理解した上で、それを前提にエントリーしてもらっていますが、その中で、磨き上げなど、伴走型の支援、職員のサポートがあります。そういった意味でも、行政の支援がないわけではありません。
一緒になって磨き上げながら、基本的には自立して、発信をしていく形を作っていきたい、とは思っています。
記者:
見せ方について、そこはなかなか行政の職員だけでは、どのように見せるのか、どのように世界へ訴えていくのかということは、100件を超えるプログラムそれぞれに、なかなか難しいところがあるかと思います。
民間人の活用が、令和5年度の予算にも盛り込まれています。数名程度かとは思いますが、今後、どのような民間人の活用を、どの程度、考えていますか。
知事:
コアメンバー会議にも有識者に入ってもらっていますので、その方々を中心に各コンテンツの磨き上げを、視察も含めてしてもらうこと。それ以外にも、発信の仕方などで、企業や民間の方々とタイアップしていくことになるかと思います。
記者:
現在のコアメンバーに限らず、企業や民間の人を随時、巻き込んでいく、アドバイザー的に活用するなどの可能性はある、ということですか。
知事:
あります。それはフィールドパビリオンに限らず、兵庫県で万博全体を盛り上げていくにあたって、そういったアドバイザーやアンバサダーなどは、検討していきます。
記者:
マスクの関係で、3月13日に政府の方針でマスクの着用は個人に委ねる、ということになります。
例えば、県職員、窓口などで県民と接するような場面が多い部署、あるいは同僚等としか接触しないような部署、様々な県職員の現場もあろうかと思います。県職員に対しては、3月13日以降、どのような対応を求めるのか、あるいは、何か考えていることがあれば、教えてください。
知事:
3月13日からマスク着用が基本、個人の判断とされます。
まず、私自身は、原則としてマスクは外す方向にしたい、と思っています。ただ、例えば、病院を訪問するなど、少し密な状況になる、高齢者施設に行くなど、そういった個別の状況によっては、マスクを着ける場面もあるかもしれない、という感じです。
県職員に対しては、基本的には職員個人の判断に委ねる形にしたい、と思っています。
ただ一方で、指摘のとおり、病院であったり、そういった感染リスクの高い人のいる施設、それから、対面・窓口のケースについては、これからの検討になるかと思っていますが、原則としては、個人の判断でマスクの着脱をしてもらう。
2類相当が5類になるのですから、インフルエンザの場合も、マスクの着用を一定のルールでしているわけではありません。ただ、移行期なので、ケースバイケースで、注意をしなければならないポイントについては、着けるという判断も出てくるかと思います。
私自身は、基本的に着けない方向でいこうか、と思っています。
記者:
こういう場面では着けた方が好ましいなど、ルールのようなものを職員向けに作成することはありますか。
知事:
これからの検討になりますが、部署の特性、仕事の特性、接する人の特性によって、県の組織としてどのように対応するのかは、議論、検討は必要かと思っています。
ただ、個人が着ける、着けないという判断までは。バランスが難しいのですが、業務として、公の仕事としてする場合には、着けた方がよい、感染症の観点から着けるという判断も、組織としてあるのかもしれません。
そこも含めて、これからの検討になるかと思います。
記者:
県職員のマスク着用について、確認です。県職員の業務中の着用をどうするのかはこれから検討し、業務外は原則、個人の自由という認識でよいですか。
知事:
業務中も業務外も、基本的には個人の判断という形になります。
ただ、職務で接する人との状況によります。病気の人と接する時など、その時の状況に応じてどうするのかは、少し検討しなければならないということです。
基本的には、職務中も職務外も個人の判断という形になる、と思います。
記者:
知事自身は職務中も、原則は着けない方針ですか。
知事:
はい、そうです。
皆さんも取材する時にどうするのか。高齢者施設や病院に行って、目の前に高齢者などの少し感染リスクの高い人がいる中で取材をする時、外したままでするのか、着けるのか。おそらく、ここは個人の判断なのか、職務として気を付けるのかは、なかなか難しいところで、それと同じことです。
基本的には、2類相当が5類になっていく中で、着けなくてもよいという方向が原則になってくるとは思いますが。その中で、原則、個人の判断になりますが、感染リスクがある場面をどう判断していくのかは、これから検討することになります。
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