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ようこそ知事室へ
【発表項目】
知事:
先日、淡路瓦の組合から寄贈された淡路瓦のプレートを、今日は置いています。メタルグレーと言うのか、淡路瓦独特のいぶし銀をモチーフにしたネームプレートで、非常にかっこいい、と思っています。今日の会見でも置いたり、あとは知事応接室に置いたりして、地場産業の発信をしっかりとやっていく中で、応援をこれからもしていきたい、と思っています。
以下、予定項目に沿って説明します。
1番目は「新型コロナウイルス感染症の現状と対応」です。
(1)県内の患者の状況等
本日の新規陽性者は25人で、前週比マイナス14人になっています。
病床使用率は6.9%、重症病床についても5.6%で、徐々に下がっています。
時短要請等については、21日までの措置で、22日からは全面解除にします。県民の皆さんには、これまでの協力に改めて感謝するとともに、これから観光や飲食も含めて、日常生活を徐々に元に戻していくことになると思いますが、マスクの着用など、基本的な感染対策については、徹底してもらいたいことを改めて述べたい、と思っています。よろしくお願いします。
(2)新型コロナ第6波への備え 医療提供体制の強化
「第6波に向けた備え」として、昨日の対策本部会議で骨子を示して、昨日の会見でも触れましたが、本日、改めて説明をします。
大きく5つのテーマがあります。
まず1つ目が、「保健所の体制強化」です。今回の第5波の中で、本庁からの応援職員100名などの増員、体制を強化することで、保健所の現場の負担がかなり軽減できた実績がありました。今回は、これをしっかりと平時から仕組みとして構築していきたい、と考えています。
まずは、フェーズに応じた応援体制で、平時に、今はかなり落ち着いている時だからこそ、応援職員にしっかりと研修をして、増やしていきます。県庁の職員への研修をしっかりとこれからすることで、いざという時に、保健所の現場に応援職員として派遣できる予備のスタッフを準備するものです。
具体的には、これからやっていきますが、本庁、それから県民局でそれぞれ500人と500人、合計1000人をいざという時に派遣できる体制を作っていきたい、と思っています。
保健所でどういう業務をすることになるのか、それから疫学調査をどのように実施するのかを、座学を中心に、職員に研修してもらうことを、11月までに5回程度やりたい。第1回目を10月29日金曜日に実施していきたい、と思っています。
そのように応援職員の体制をしっかりと今のうちから準備していくことで、感染拡大時には新規陽性者数の数などに応じて、機動的に応援職員を保健所に派遣していきたい、と考えています。
具体的には、資料に書いていますが、ステージⅡにあたる新規陽性者数が10万人あたり15人未満の時、それから15人以上、それから25人以上ということで、感染が徐々に拡大していくステージに沿って。まず、今は「研修をしっかりとやります」、そして感染が再び拡大した時は、「応援職員をすぐにでも派遣できるよう調整していく」、さらに拡大した時には、「直ちに1000人に及ぶ予備のスタッフを随時派遣していきたい」と考えています。
また、今回も民間の派遣人材に事務も含めてやってもらいましたが、そこも含めてしっかりとやっていく。フェーズに応じた保健所の体制強化を今のうちから準備しておきたい、と考えています。
それから2点目が、積極的疫学調査の重点化の基準を作ることです。
今回、保健所業務がかなりひっ迫してきて、保健所ごとにはもう手が回らなくなってきた状況の中で、保健所の疫学調査の重点化を判断して発表しましたが。これも一定の基準をもって、どのタイミングで疫学調査の重点化をするのかを決めておくべきではないか、という議論の中で、今回、資料に記載の目安によって判断していく形にしました。
疫学調査の重点化を開始するのは、①10万人あたりの1週間新規陽性者数が15人、週平均で110人を超え、かつ、2.2週間程度継続して上昇する場合、または、急激な上昇がある場合に、この疫学調査の重点化を開始します。
それから、ずっと重点化するのではなくて、基本的には疫学調査をきちんとやっていくことが大事なので。ある程度収束してくれば、疫学調査の重点化を終了して、普通の疫学調査体制に戻すというものも、10万人あたりの新規陽性者数が1週間平均で15人未満になる、いわゆるステージⅡ相当になった際には、疫学調査を元に戻すことにします。
このように、保健所体制の、応援職員の体制の強化と、あとは業務についてのメリハリをつけていきたい、と考えています。
それから、「入院医療体制」についてです。今回、国から、第5波における最大の感染拡大状況等を踏まえて、新たな医療提供体制確保計画を11月中を目途に作っていくことが示されたので、これに対応していくものです。
10月末までに感染者数を想定して、確保すべき病床数や自宅療養者への対応の方針を作っていくことで、11月末までに必要とされる病床数を確保していきたい、と考えています。内容はこれから詰めていきますが、8月から9月にかけては県内でも民間を含めた病院の協力によって、120床を今回増やして、1357床になっていますが、これをさらに増やしていきたい、と考えています。
それから、宿泊療養施設についても、今、2011室までホテルを増やしていますが、これについても、さらなる上積みをこれから調整していきたい、と考えています。
それから、入院・退院の円滑な調整で、これは今も制度がありますが、特に転院促進をしたり、あとは呼吸管理が対応可能な転院先を確保して欲しい、という現場からの声もあったので、そういったところも104病院から121病院まで増やしています。
また、「宿泊療養施設の医療ケア」ということで、普通に宿泊療養してもらう先と、あとは医師を派遣して、医師の日々のチェックができる、「医療強化型の宿泊施設」も本県にはあります。今、全体で14施設あるうちの7が医療ケアができる施設ですが、これについても、さらに増加をしていきたい。
こちらは、県の医師会に医師向けの研修会をしてもらっています。そういった形で、ホテルに派遣する医師を増やしてもらえそうなので、随時増やしていきたい、と考えています。
次は、「外来の診療体制」です。これからインフルエンザと同時期に次なる波が来るという可能性も踏まえつつ。地元の医師会などと協議しながら、帰国者・接触者外来に加えて、地元クリニック、身近な医療機関で診察をしてもらえる「発熱等診療・検査医療機関」を設置しています。これまでは、どの病院が対象かを公表せず、非公表の中で県のコールセンターに電話をしてもらって、そしてリストに基づいて近いクリニックを紹介するという形でした。
今回、調整がついて、10月下旬を目処にホームページで医療機関のリストを公表します。そうすれば、かかりつけがない人でも、県のホームページを見ることで、自宅に近いクリニックや病院を受診できるので、スピーディーに、検査や診療が進みます。加えて、医療資機材の支援で、引き続きマスクやガウンなども支援していきたい、と考えています。
それから「自宅療養者等へのフォローアップ」で、これまで保健師等による家庭訪問、またパルスオキシメーターの貸し出しの体制を強化してきました。今回の保健所の体制強化で、先ほど言った、県職員の研修をすることなどによって、増えてきた場合に役割分担をしっかりとして、体制を強化することになります。加えて今回、特に、妊産婦への対応が1つの焦点になっていました。
医師と話すと、特に妊婦は高血圧になった時に、ほかの合併症を発症するリスクが高いということで、血圧計の貸し出しを積極的にしていくべきだ、という議論になりました。県では、妊婦の中には自宅に血圧計を持っている人もいますが、持っていない人もいるので、必要であれば、妊婦には全員に血圧計を貸し出しできるようにしていきます。
高血圧の場合は妊婦自身のみならず、胎児にリスクや影響もあるので、しっかりとここは対応していきたい、と考えています。
それから、往診対応医療機関についても、現在435ありますが、県の医師会の研修もあるので、ここも拡充を図っていきます。
2点目が、市や町との連携です。具体的な取り組みとしては、自宅療養者に対する食品の発送についてです。保健所業務がひっ迫してくると、なかなか食料の配送が数日遅れてしまうケースが、今回の教訓としてありました。ここは市や町からも協力したい、という申し出も結構ありますので、市や町と協力しながら自宅療養者に1日でも早く食品がすぐに配送できるよう、迅速化・スピード化を図ります。
やり方は様々ありますが、こういった市や町との連携スキームをしっかりとやっていくことで、県から市町に一定程度、食品のストックを置かせてもらって、陽性者が自宅療養となった際には、市や町から直接持っていってもらう。そういった仕組みによって、数日程度、2日以上、期間短縮ができるのではないか、と考えています。
最後に、「中和抗体療法の推進」で、昨日の本部会議でもありましたが、カクテル療法は重症化を防止する大きなカードになっています。やり方については、様々に、国からのモデルも提示されながら、本県でも加古川医療センターに30床専門病床を用意したり、様々なやり方をしました。
県内には81医療機関が中和抗体療法のできる機関になっていますが、そういったところを中心に、どのように、地域の実情に応じて投与の態勢ができるのかを、11月中旬を目途に各保健所や医療圏ごとに仕組みを作っていきたいです。
具体的には4つありまして、中和抗体の薬剤が配備されている「配備医療機関での投与」。それから、クリニックで診察・検査をして陽性になった場合に、連携している病院に中和抗体があって、そこで投与される「病診連携による投与」。それから、保健所が、これは郡部などになりますが、保健所が一定程度関与して、「保健所介入による投与」というやり方。最後が、「病床がないクリニック(無床診療所)による投与」、といろいろなやり方があります。様々なやり方を組み合わせていくことを各保健所単位などで形作っていきたい、と考えています。
イメージとしては資料の次のページを見てください。
自分のところの病院にコロナ患者と疑われる人が来て、検査すると陽性で、BMIが高い人など、重症化のリスクが高いとその場で判断されて、その病院でカクテル療法も受けられるケース。
発熱外来など、クリニックで検査をして陽性になった場合に、そこでは中和抗体療法ができないが、連携している病院等で受けれる、中和抗体を投与できるという連係型。これは、保健所が関与しないやり方なので、直接スピーディーにやれます。この場合は、事後的に保健所に報告する形になるので、保健所の負担軽減にもなります。患者にも迅速に中和抗体療法を受けてもらえるという体制、これは比較的阪神間、都市部で多く見られる仕組みです。
それから、投与できる医療機関が少ない地域では、保健所が一定介入して、投与先を紹介するやり方もあります。
投与した後に何かあった時のために、病床がある方が安全だという見方もある一方で、病床がないクリニックで投与する形も見据えています。ただし、投与した後の副反応などがあった場合には、緊急的な対応、入院措置ができるような医療機関をしっかりと確保しておいたうえでの投与になろうか、と思っています。
最後の項目「医療従事者と情報共有の推進」ですが、今回の第5波を含めて、様々な医療現場での経験、そしてノウハウが蓄積されました。現場のまさに第一線でやっている感染症対策の医師らから、様々な医療機関でのやり方を共有する場を作って欲しい、という声がありました。現場の担当医とともに、診療内容、課題、それから中和抗体療法も含めて、最新のやり方を共有するような場を作っていきたい、と思っています。
加古川を含めた県内の拠点病院の医師、それから担当医師や、保健所の職員、行政も入って、様々な今回の知見を共有する。そして、次なる波に備えてどういうことをすればよいのかを議論しながら、専門的な観点から、ノウハウも含めて共有して。隣の病院ではこういうことやっている、ということや、横の繋がりはこれまでも一定協議会でやっていましたが。より現場に近いレベルでの共有もしたい、という声もあったので、こちらの方をやりたい、と考えています。
以上が、医療提供体制の強化です。
2番目は「令和3年度県文化賞・科学賞・スポーツ賞・社会賞及び芸術奨励賞受賞者の決定」です。
このたび、県民文化の高揚、それから科学技術の向上、スポーツの振興、地域づくりに貢献した14名、3団体に、功績を讃え、それぞれに賞を贈り表彰することにしました。また、将来活躍が期待される若手芸術家4名に、芸術奨励賞を贈ることを決定しました。
リストについては今、手元にお配りしているとおりですが、それぞれの分野で、たいへん活躍している方々です。
11月9日に、県の公館で贈呈式を行います。この時には、10月6日に発表したスポーツ、オリパラで活躍した13人についても、スポーツ賞の特別選手賞を贈呈します。
いずれも、兵庫県を中心に活躍している方々なので、心からお祝いしたい、と思います。
3番目は「令和3年度 県津波一斉避難訓練の実施」です。
「津波防災の日・世界津波の日」が、11月5日に設定されています。この日に、今後想定される南海トラフ地震等を想定した避難訓練を実施します。
南海トラフ地震の津波浸水想定区域とされている、14市1町と、それから日本海沿岸地域地震の津波浸水想定区域とされている、1市2町を対象に緊急速報メールの配信をするものです。
避難に特化した訓練を実施することで、県民・住民の皆さんの避難するという意識を醸成することと、地域の防災力の向上を図っていきたい、と考えています。詳細なエリア、それからやり方については、資料のとおりですが、訓練の参加規模は10万人になっています。
広報について今回は、神戸出身のフィギュアスケート選手である坂本花織さんと三原舞依さんに、協力をしてもらい、この11月5日の津波の一斉避難の訓練についてのPRをしてもらいます。
ぜひ若い世代の方々にも、防災・避難の大切さというものを理解してもらいたい、と考えています。
4番目は「播磨科学公園都市での次世代モビリティを活用したMaaS実証実験」です。
MaaS(マース:Mobility as a Service)はこれから、次世代モビリティの導入のキーになっていきますが、この公園都市で、11月25日から実証実験を開始します。
この実験は資料のとおり経産省の令和3年度の「地域新MaaS創出推進事業」に選定されたので、近畿経済産業局と共同で実施します。
実験の内容は書いているとおりですが、「MaaSシステムをプラットフォームとした情報提供」ということで、モビリティサービスなどの検索・予約・決済ができる、西播磨MaaSを構築して、その中で公園都市内の飲食店の情報なども発信したり。あとは、「次世代モビリティを活用したラストマイル交通の確保」ということで、公園都市の中で、様々な移動サービスを使ってもらうものです。具体的には、1人乗りの電気自動車や、公道で走行が可能な電動キックボードを貸すものです。
それから、県独自の取り組み(県事業)としては、ワゴン車によるデマンド型の移動サービスなど、様々な安全対策を講じながら、実証実験をしていきたい、と考えています。
今回、神姫バス株式会社などと連携しながら、兵庫県、それから周辺自治体、大学、企業等が協力して実施します。
MaaSは、これからの技術システムで、いきなり都市部で何かをすることが、なかなか難しい面もありますので。こういった限られた公園都市というエリアで、まずは1つの小さなモデル実験をしていくことで、次なる展開を図っていきたい、と考えています。
機会があれば、ぜひ取材をお願いします。
私からは以上です。
記者:
コロナの保健所体制について。1000人体制で、かなり大規模に研修をする、という印象を受けました。1000人の職員が、5回ずつ研修を受けた場合に、例えば、県庁の業務に滞りがあったり、実際にこの職員が応援に行く場合に、県庁の、県民サービスの低下はない、という形できちんとプログラムを組んでいる、という理解でよいですか。
知事:
そこは一番大事なところだと思っています。研修を受ける時にも、業務についてはあらかじめ、この日に研修することも明示するので、この職員が行っている間は、別の職員が仕事を代行したり、組織全体でカバーすることは当然です。実際に研修を受けた職員が現場の保健所に行く際にも、業務の体制を臨機応変に部署や課ごとに調整して、行ってもらうことになります。
ただし、フェーズが大きく拡大した時には、コロナの病床と一般の病床の場合と同じですが、感染が拡大した時には、通常業務とコロナ対応業務のどちらを優先させるかの判断です。
タイミングによっては、大きな波が今後来た際には、一定、通常業務を縮小する中で、1000人規模の体制を、場合によっては、どんと保健所に投入することもあるかと。基本的には通常業務に影響がない形でやるのが原則ですが、大きな感染拡大の時には、そういったこともあろうか、と思います。
記者:
1000人とした根拠は、感染拡大したフェーズでは、このぐらい人が必要という計算があるのですか。
知事:
大きな判断としての1000人ですが、今回の第5波では応援職員の体制等を見ながら100人で派遣しました。1000人を送ったことは、今までにはないので、おそらく100人プラスアルファー、場合によっては100人から200人の間で、派遣応援をしてもらうことが、現実的には想定される、と思います。
その場合でもローテーションを組んでいくことが大事なので、例えば、100人であれば10ローテーションが組めるのが1000人です。
先ほど言われたように、日常の業務との調整を考えると、一定のローテーションを組みながら、職員を応援派遣ができる体制を組んでいることが大事なので、1000人を予備的にストックする形になります。
記者:
外来医療体制について。医療機関の公表は、昨年、最初の頃は公表による風評被害を医療機関が若干懸念する話があった、と記憶しています。
今回、ホームページで公表することになったのは、医療機関の考え方が少しずつ変ってきたから、という気がするのですが。なぜ、公表できることになったのか。
また、10月下旬となると、今日は20日で、そろそろ10月下旬だと思うのですが。最初の第1弾で公表される医療機関の数は、どのくらいになる見通しですか。
知事:
かつては、コロナの知見がない中で、医療機関も患者やかかりつけ医など、特にコロナ患者を診ているところの、大きな風評被害を受けることがリスクとしてありましたので、公表はしない、となっていました。
私も以前、住んでいるところで風邪を引いてクリニックに行くと、クリニックの中には入らないで、と外で待たされたくらいに、すごくセンシティブに、内科診療所はやっていました。
ただし、今はコロナの第5波が収束しつつある中で、コロナに対する見方も変わってきたのが、おそらくある、と思っています。また、診療報酬上も一定のケアがされているところもあって、クリニック、医療機関もかなりそういった意味では、意識が変わってきた、と聞いています。
あくまで合意ができたところについて、ホームページで発表することになります。これまでの流れと、大きな理解はしてもらってきた、何よりも、患者のアクセスしやすい体制を作っていくことが大事だ、と医師会などにも理解をかなりしてもらってきた、と考えています。
10月下旬に、具体的にどれぐらいの数を公表するのかは、これからの調整で、集計中です。分かり次第、お伝えします。
記者:
医療従事者との情報共有の推進について。これまでも何回か話をしていましたが、スケジュール的なものはありますか。
知事:
私も何度も言っていたものですが、現場の担当医師、それから保健所職員などが会して、様々な課題や事例を共有するものです。
担当課:
スケジュールについては、従来の拠点3病院の医師をコアメンバーに考えており、そのコアメンバーとの打ち合わせは終わりました。今後、早急に医療機関の担当医師へ全体に広げて、ウェブ会議などで議論したい、と思います。
知事:
基本的に、現場でたいへん多忙な先生方なので、ウェブ会議でオンラインでする形が中心になろうかと。会議の中身が少し専門的なことであったり、機微に関することがおそらく多いので、なかなか全面的に公開は難しいかと思いますが。
例えば、冒頭だけでも、取材をしてもらったり、事後的に担当から、こういう議論があったということは提供できるかと思うので、そのあたりのスケジュールは追って周知します。
記者:
中和抗体療法、抗体カクテル療法について。今、表示されている図では、基本的に、最初に陽性が分かった段階で投与する、ということですか。
例えば、入院した場合には、入院先の病院でやればよいのかと思うのですが、この図だけを見ると、陽性者の入院が前提になっていないイメージがあります。
これは、初期の検査段階で、どのタイミングで中和抗体療法を受けるかを図示したものですか。
知事:
基本的にはそうです。陽性だと初期にわかった段階で、どのように抗体カクテル療法を投与してもらって、今の少し保守的な考え方では、投与してもらった場合には、短期入院や宿泊療養施設に入ってもらうことがベースになってくるので。
そういう意味で、入院もできる医療機関が中心になってきます。初期の段階で、どのように早い段階で、陽性者でかつ高いBMIや基礎疾患のある人が、早くこの中和抗体療法を受けてもらうのか、にポイントを置いています。
記者:
自宅療養者等のフォローアップについて。これからは食べ物や医療機器もそうかもしれませんが、自宅療養者に市町が送り届ける話があります。これまでどうしてできていなかったのかを振り返ると、個人情報を県の保健所が一括してまとめていたので、感染者がどこにいるのか、誰なのかを、市町にも伝えにくかった。個人情報の管理の観点からできていなかった、と理解しているのですが。
これを機に、感染者の情報の取り扱いを変えるのでしょうか。
知事:
これまでも、一部の保健所では、管内の市や町とすでに連携しながら情報提供をして、食品の配送も連携しながらしていくこともあった、と思うのですが、それを全体的に、きちんと形作っていきましょう、というのが今回のねらいです。
個人情報の取り扱いについては、あくまで今のベースの、本人の同意をもらった上で、市や町に提供するという流れは、今までどおりです。もしも、同意がもらえない場合には、県の保健所がすぐに届けることをできるだけしていく、従来のやり方も並行します。
やはり、行政体を超えた組織と組織の間で、個人情報を具体的に「誰」というのを渡すのは、本人の同意が、やはり1つの鍵になっていきます。陽性者によっては、地元の市や町に伝えたくないということも、やはり少なからずあるので。そこは勝手にはできないので、法律の側面で何かそういう体系ができれば別だと思いますが。今の法体系ではそこが1つのルールになっているので、その範囲内で、できるだけ迅速にしていきます。
記者:
コロナの第6波への備えで、大きく5項目を挙げてもらいましたが。特に、知事として、第6波に向けて一番力を入れて取り組みたいのは、どの項目ですか。
知事:
昨日の会見時にも聞かれたことで、その際にも全部と言っていましたが。一応、全部の項目が、私としてやはり大事だ、と思っています。
コロナ対応というのは、私の思いとしては、これがすごい切り札だ、というものがなかなかない世界です。様々な、保健所や入院、ホテル、それから自宅療養者のフォローを、きちんと体系的にそれぞれをベースアップしていくことが大事です。
ただし、やはり一番大事なのは、保健所の機能を、今の感染症法上の建て付けでは二類ということになると、やはり保健所を介していろいろなことをやっていくことになるので。これが今のままでいく限りは、保健所の体制強化をしっかりとやっていくことが大事です。
1000人という形で、いわゆる予備的なスタッフをしっかりと第6波、次なる波に備えて、今のうちから研修をして、保健所の業務で、一人一人に電話をして疫学調査をしたり、入院のフォローをしていくことは、やはり人がいる話ですから。そういうことのノウハウを、しっかりと皆で共有することを、ぜひやっていきたい、と思っています。
中和抗体や飲み薬等ができてくれば、保健所を介さずに、通常のインフルエンザと同じような病気になってきて、このような保健所の体制強化も必要がなくなってくるのかもしれませんが。まずは、今の状況では、保健所の体制強化をしっかりとやっていくことが大事だ、と思っています。
記者:
本庁と県民局でそれぞれ500名で合計1000名ですが、これはどのようにして1000人を選んでいくのですか。
知事:
どういうスタッフにしていくのかですが、今回は行政特別研修生で、係長等の監督職になっていく前の、研修段階の人を送りました。それが非常にスピーディーにいろいろなことを吸収しながらやってもらった、という評価を得たので、若手等を中心に研修していくことが大事だ、と考えています。
もちろんベテランの職員も、吸収力のある人もたくさんいるので、そこはバランスを図りながらやっていくことになります。ただし、長い目で見た場合に、若い世代にもぜひ積極的にやってもらうことが必要です。
記者:
資料2ページ目の入院医療体制について、「呼吸管理対応可能な医療機関の拡充」として、104から121とあります。念のための確認ですが、医療機関の数を121にするということですか。
知事:
呼吸管理対応可能なところが121になったということです。やはり、コロナの症状として呼吸器疾患になるケースがまずメインにあります。それがある程度、慢性化して、重症化していった場合に、コロナウイルスが消失しても、実はコロナ病床で、特に重症病床でずっと入院せざるを得ない状況があります。
ウイルスが消失した後には、呼吸器の専門的な病院に転院させて欲しいという声が、根強くあるので、そこをできるだけ強化していくことが重症病床使用率を抑えていく鍵になるので、非常に大事なポイントだ、と思っています。
記者:
自宅療養者等へのフォローアップで、妊産婦に血圧計を貸し出すことについて。これはもうすでに始まっているのですか。それとも、開始時期が分かれば、教えてください。
知事:
これまで保健所の保健師が家庭訪問などでパルスオキシメーターなどを使用する形にしていましたが、今回、希望者に応じて、血圧計の貸し出しを新たなメニューに加えていきます。
現場のオペレーションは、これからです。血圧計の確保も含めて、しっかりとこれからの体制を組んでいくという、新たな取組みです。
保健所単位では、血圧計がすでにあるところは、おそらく臨機応変にやっていたと思いますが、今回は新たな体制として、全体でやっていくということです。
記者:
コロナについて。非常に、第6波は予測が難しいでしょうし、もちろん第6波が起こらないことに越したことはないのですが。
今の感染状況の推移を見て、どのぐらいの時期に第6波の想定というのか、警戒をしていますか。
知事:
新規陽性者数がどのように増えていくのかが、まず1点です。インフルエンザの流行期が間もなく、年末ぐらいからくるので、ここが1つのポイントだ、と思っています。
私もこれからインフルエンザの予防接種を受けなければなりせん。よくインフルエンザになるタイプで、3、4回なったことがあります。
インフルエンザの時期と、コロナの時期が重なってくる可能性は、昨日のコロナ本部会議でも結構指摘されていたので、冬の時期は特に注意をしなければならない、と考えています。
「波」という観点で言うと、新規陽性者の数が増えていくことですが、一方で、これからの時代、次の波は、そういったことを「波」にするのか。病床の使用率、特に重症病床の逼迫度をとらえて、「波」とするのか、いろいろな見方が出てくると思います。
欧米のように、数はどんどんと増えていくけれど、一方で重症の病床使用率は低い。死者の数も低い、ということになれば。実は、日常生活を引き続き、送り続けるモデルになるのかもしれません。
「波」をどうとらえるのかという定義が、これからまた、国も含めて、議論が必要です。
記者:
本日、お昼ごろに阿蘇山が噴火しました。何か兵庫県として対応をする考えはありますか。
知事:
私も速報を見ていて、阿蘇山が噴火した、半径2キロ以内は立入禁止という形になって、区域内に4名程がいましたが、無事は一応確認できた、ということでした。
今後、どのような状況になるのかの推移を、見守っていかなければなりません。今のところは、大きな人的、それから物的な被害がないところですが。
噴煙がこれから舞っていく中で、近隣の市や町、村に落ちていく中で、大きな被害等があれば、災害ということで、様々な応援も当然に検討しなければなりません。状況、推移を見つつ、場合によってはスピーディーに対応していきたい、と考えています。
現場の県民の皆さんや地元の皆さんは、たいへん不安な気持ちになっていると思います。できるだけ地元自治体を中心に、積極的で丁寧な情報提供をされることが大事です。そのようなところで、例えば、避難所ができたりした場合に、できるだけ何かの応援をすることは考えていきます。
記者:
ワールドマスターズゲームズ2021関西について。1年延期されて、さらに再延期が検討されているということです。
このワールドマスターズゲームズ2021関西は、齋藤知事の前任の井戸前知事が非常に尽力してきたスポーツの祭典であるかと思います。
この再延期について、今、斎藤知事はどのような情報を持っていますか。県内でも会場が多数ありますが、何か対応があれば教えてください。
知事:
ワールドマスターズゲームズ2021関西の延期をどうするのかは、これまでも関西広域連合の知事の間でも結構議論をしていて、特に、仁坂連合長が大きな思いを持っています。
東京2020オリンピック・パラリンピックがバブル方式で、ある程度隔離した空間の中で、選手の移動をしていくことで、感染を防止することができました。
しかし、このワールドマスターズゲームズ2021関西は、そのようなバブル形式でする大会ではなくて、基本的に海外の人、県民・市民も含めて、皆がスポーツ大会を楽しみながら、アフター・ビフォーで、観光や、町での交流などをやっていくものです。
今、コロナがある程度収束してきたとはいえ、一定の外の人が来ることになると、やはりそのような心的なハードルや、実際の波が来た時の物的なハードルもある中で、このまま突入、開催していくことが果たしてよいものかどうか。
仁坂連合長の思いもあって、我々も議論していく中で、一定の延期はやむを得ないという合意形成ができた、という話になっています。
そのような意味で、時期を報道にあった2026年の選択肢も含めて、これからワールドマスターズゲームズ2021関西組織委員会を中心に、議論していく形になります。そこは、一定やむを得ないと考えています。
ただし、今日も午前中にバスケットボール協会の表敬訪問を受けましたが、やはり県内でも様々な競技に向けて、準備をしてきた人がいます。その方々、それから参加したいと楽しみにしている人もいて、そのような方々は、たいへん残念だと思っているので。私自身も残念ですし、仮に延期という形になれば、我々も含めて組織委員会が、関係者や参加しようとしている方々に、丁寧に説明をしていきたい、と考えています。
知事:
(先ほど質問のあった)妊婦用の血圧計について、すでに保健所に一定数量配布しているので、これからいつでも対応可能な状況になっています。
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