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皆さん、小売市場(こうりいちば)をご存じですか?小売業者や業務用の購入者と取引きする卸売市場(おろしうりしじょう)と違って、一般の消費者向けに商品を販売するところです。
神戸は、兵庫津が良港であったため、古く江戸時代から生鮮商品などの卸売市場が栄えていました。やがて卸売市場から仕入れた品を一般の消費者に提供する私設・公設の小売市場が開設されます。小売市場は神戸の発展ととも繁盛し、まちの繁栄を支えてきました。近隣の身近な消費者と向き合い、生活を支える役割を果たすとともに、現在、他都市に小売市場がほとんど残っていないこともあり、神戸特有の文化とも言える存在にもなっています。
①お店の人と対面で気さくに話をしながら買い物ができる、②目利きの利いたプロがこだわり抜いて選んだ商品が購入できる、といった特徴を持つ小売市場では買い物をする行為自体が一つのエンターテイメントのようです。「体験」を重視する海外からの観光客にとっても興味深いのではないでしょうか。
ただ、昭和のピーク時には市内110を超える小売市場で賑わっていましたが、現在では小売市場連合会の会員市場が14カ所となってしまいました。
そこで、神戸市小売市場連合会は令和6年に
小売市場宣言「“神戸いちばPROUD” もう一度、毎日を愛せる暮らしを。」
を制定され、14の小売市場が一丸となって魅力を発信し、さまざまな取組みを進めています。その一つが市場らしさや店主のこだわり、熟練した職人技が光る商品を認定する「神戸いちばPROUD認定商品」です。現在、食材や総菜、デザート、生活雑貨など、他所では買えない41の商品が認定されています。
小売市場をより魅力的に感じる機会がありましたので、ご紹介します。
①神戸いちばPROUDご褒美ランチをいただきました。
12月19日にいちばPROUD認定食品を使ったご褒美ランチ(1,980円)を食べてきました。先着順ということで、受付開始後すぐに申し込みをした甲斐あって、ローストビーフ、切り干し大根、炭火焼やき豚・・・とどれも“たしかにこだわりや”と唸る美味しさでした。今回の第3弾は終了しましたので、食べてみたい方は今後の第4弾に期待してください。


②マルシン市場で買い物ゲームとランチを体験
兵庫区湊川の東山商店街の北端にマルシン市場があります。12月21日(日曜日)、明治期の神戸土木遺産旅の関係者ツアーに参加した際、途中マルシン市場でお買い物ゲームを兼ねた昼食をいただく機会がありました。参加者が6人ずつ1チームになり、1人700円、チーム計4,200円を握りしめ、市場で自由に食材や総菜等の買い物をした後、シェアして食べ合うという企画です。大人どうし、しかも当日初顔合わせのメンバーとあれこれ話しながら一緒に買い物をするという滅多にない経験ができました。選んだ食べ物の好みも人それぞれなので、普段自分ではチョイスしないようなものも食べられてなかなか楽しい企画でした。
ちなみにマルシン市場は年明けの1月に地下鉄・湊川公園駅西改札口で出張販売を行う予定です。

マルシン市場で買い物したランチを発表
「顔の見える」「こだわりの」良さがある小売市場は神戸の財産です。モノを買って帰るだけでなく、小売市場を楽しむつもりで訪ねてみてください。
さて、今年も残すところあと数日となりました。市内各地域の皆さまから直接いろんなお話をお伺いし、一緒になって活動をしてきた充実した1年でした。皆さまの日頃の主体的な取組み、県政へのご協力にあらためて感謝申し上げたいと思います。来年も皆で力を合わせて精力的な活動ができるよう、先ずは健康に留意して穏やかな年末年始を過ごしましょう。
兵庫県神戸県民センター長
内藤 良介
≪以下に「過去の神戸県民センター長だより」のリンク先を掲載しています。≫
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