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ただいま提案いたしました緊急対策に関する補正予算議案について、その概要を説明します。
過日、防災・減災、国土強靱化対策などを柱とした、国の2次補正予算が成立しました。今回の国の対策は、臨時・特別の措置として、3年間、集中的に防災・減災対策を行おうとするものであり、この補正予算は、初年度として速やかに着手すべきものについて対応することとされたものです。
この国の補正予算に対応して、(1)安全・安心を支える社会基盤整備の推進、(2)農林業の競争力強化、(3)地域創生の推進を基本方針とする、緊急対策補正予算案を編成しました。その効果をできるだけ早く発現させる必要があります。このため、本日、ご審議いただくものです。どうぞよろしくお願いします。
自然災害への備えを強化するため、台風21号で浸水被害が生じた地区を対象とした緊急高潮対策をはじめ、地震・津波対策、河川の改修、砂防えん堤やため池整備等を加速させます。あわせて、年間の工事発注時期の平準化を行い、早期発注に努めます。また、老朽化等により十分な耐候性がない農業用ハウスの補強対策を支援するとともに、国定公園や、下水道、工業用水道施設等の防災・老朽化対策を前倒し実施します。
県民が安心して生活できる環境を整備するため、医療機関等に対して、災害時に診療機能を維持するために必要な給水設備の増設や、患者搬送のための緊急車両の導入、スプリンクラーの整備を支援するとともに、自力移動が困難な在宅の人工呼吸器使用患者のため、停電時に簡易発電装置が活用できる体制を整備します。
卸売市場には、停電により運営に支障が生じないよう、非常用電源などの確保に向けた取組を支援します。
社会福祉施設には、ブロック塀の安全対策として、撤去に加え新設、改修への支援を実施します。あわせて、非常用自家発電設備の整備を進めます。また、障害者が安心して暮らせる入所施設等の整備を促進します。
農産物の生産基盤を強化するため、酒米から日本酒までの一貫生産体制の構築など、中山間地域での個性を生かした取組を推進します。収益力の向上などをめざす、意欲ある農業者等の施設整備や機械導入も支援します。
ブランド力の高い神戸ビーフの海外・国内ともに旺盛な需要に対応するため、規模拡大に取り組む畜産農家の牛舎整備や家畜導入を支援します。
県産木材の競争力強化に向け、原木を安定供給するための間伐や路網整備、高性能機械の整備を進めます。
地方創生拠点整備交付金を活用し、(1)交流拠点の整備、(2)介護体制の充実、(3)地域産業の振興を推進します。
交流拠点の整備では、ひょうご五国の成り立ちや歴史を振り返る場として、初代県庁復元施設の整備に着手します。阪神・淡路大震災から25年を機に、経験と教訓を忘れることなく伝え続け、次なる大災害に備えるため、人と防災未来センターの東館を防災教育施設としてリニューアル整備します。大中遺跡公園は、復元竪穴住居の再整備により、古代キャンプ体験など新たな体験プログラムを提供します。また、考古博物館加西分館の増築や尼崎青少年創造劇場(ピッコロシアター)の魅力向上、こどもの館、兵庫楽農生活センター、武道館の機能強化を進めます。
介護体制の充実では、県内最初の特別養護老人ホーム「万寿の家」の移転建替に合わせて、介護ロボット等の導入効果を発信する研修・体験拠点を整備します。増大する介護需要に対して、県内介護施設への普及による人手不足の解消などを図ります。
地域産業の振興では、ビッグデータ・AIを活用した新材料開発を促進するため、兵庫県放射光研究センターの高度化を図り、県内企業の活性化につないでいきます。
以上、歳出予算についてご説明しましたが、その予算規模は、
一般会計で 329億9,500万円の増額
公営企業会計で 76億9,600万円の増額です。
これらの財源としては、公共事業等国庫補助金や、交付税措置のある補正予算債など有利な財源を最大限活用します。
あわせて、年間の工事発注時期の平準化を図るため、ゼロ国債やゼロ県債として、58億9,400万円余の債務負担行為を設定します。
以上で、提出議案の説明を終わります。
議員の皆様におかれましては、よろしくご審議のうえ、適切なご議決をいただきますようお願いします。
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