本日、平成14年度補正予算についてご審議いただくため、第273回兵庫県議会を開会いただきました。議員の皆様には、深く感謝申しあげます。
ただいま上程になりました補正予算について、その概要をご説明します。
本県の経済・雇用情勢は、ほぼ下げ止まっているものの、先行きに不透明な要因もあり、回復に向けた動きがなかなか見受けられない状況にあります。
こうしたなか、県民の不安を払拭し、停滞からの脱却を図るためには、セーフティネットの構築や需要の創出・喚起など、県民の安心基盤を構築する対策について、早急に具体的な取り組みを進める必要があります。
このため、先般、国において閣議決定された改革加速プログラムに基づく補正予算措置を最大限に活用しながら、県単独の施策もあわせた補正予算措置を講じることとしました。
まず、第一は、雇用や中小企業に関するセーフティネットの強化です
緊急かつ臨時的な雇用・就業機会を確保するため、平成16年度末までの臨時応急の措置として実施している緊急雇用創出事業について、国の緊急地域雇用創出特別交付金が拡充されますので、基金の積み増しを行い、雇用創出事業を拡充するとともに、中小企業への事業委託を推進します。
本年度でも、職業能力開発コーディネーターや下請取引相談員の配置、子どもの体験活動指導員の増員など、直ちに実施が可能なものを事業化します。
また、不良債権処理等により厳しさを増す中小企業の金融対策として、特別経営資金を拡充するとともに、既往の制度融資借入債務の借換を可能とする資金繰り支援貸付や、金融機関の合併・再編等に伴う貸付減少に対応する金融変化対策貸付などを創設し、中小企業の円滑な資金調達を支援します。
その二は、公共投資の促進による需要の創出・喚起です
県民生活に密着した分野において、地域経済への即効性が高い公共投資を促進するなかで、現在、編成作業を進めている平成15年度当初予算とあわせ、平成14年度の第4四半期と平成15年度との15か月間の執行を図ることとし、事業が円滑に展開され一体として効果をあげることをめざします。
また、補正予算に係る県発注工事については、分離分割発注の促進や入札参加者を可能な限り県内中小企業者を優先するなど、中小企業の受注機会の確保に配慮します。
県民生活の安全・安心基盤を構築するため、民間立保育所や知的障害者福祉施設、特別養護老人ホーム、デイサービスセンターなど、社会福祉施設整備への助成を拡充するとともに、県立高等学校の小規模修繕を促進するほか、県立北はりま養護学校の特別教室を増築します。また、県有施設の耐震化診断に着手するとともに、交通安全施設や交番・駐在所など、防災・安全関連施設の整備を促進します。
次に、地域の教育、福祉、医療など広範な分野におけるIT化を推進するため、市町立学校等とひょうご情報ハイウェイを結ぶ教育情報スーパーネットワークや新世代ケーブルテレビ施設の整備等を促進するとともに、市町在宅介護支援センター等が行う福祉用具や住宅改修に係る相談情報のネットワーク化を図るほか、県立尼崎病院に電子カルテシステムを導入します。
一方、魅力ある都市の再生と新しい地域づくりに向け、道路や河川、公営住宅などの整備、生活関連施設の維持修繕等を促進するとともに、街路や電線共同溝、商店街のアーケード、カラー舗装等の整備を進めます。また、観光地のバリアフリー整備や体験農園、農林水産物処理加工施設など、交流・生産基盤の整備を促進します。
さらに、循環型社会の構築に向け、食品廃棄物のリサイクル施設や木質バイオマスを活用した発電・発熱プラントの整備、公共施設の木質化等への助成を拡充するとともに、県の事務事業に伴う環境負荷を低減する環境率先行動計画の一層の推進を図るため、総合庁舎の省エネルギー設備や節水対策設備の整備を促進します。
あわせて工事発注時期の平準化を図り、事業の計画的かつ円滑な執行を確保するため、債務負担行為を設定します。
以上、歳出予算についてご説明しましたが、その予算規模は、
- 一般会計で454億93百万円余の増額
- 特別会計で171億53百万円の増額
- 企業会計で9億36百万円の増額です。
これらの事業の財源としては、国庫補助金、補正予算債等の県債、その他の特定財源を充当します。
以上で、提出議案の説明を終わります。
議員の皆様におかれては、よろしくご審議のうえ、適切なご議決をいただくようお願いします。