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ようこそ知事室へ
【発表項目】
知事:
今日は花を置いていますが、花キューピット70周年記念事業として、11月15日が私の誕生日のため、ご提供いただいきました。せっかくの機会なので紹介します。
花は人の気持ちを優しくしてくれます。園芸業界、花き業界含めて、経営は燃油高騰などで厳しい状況ですが、引き続き、県としても花の盛り上がりを含めてやっていきたいと考えています。
1番目は「空飛ぶクルマ デモフライト用暫定ポート完成」です。
未来社会に向けた空飛ぶクルマの社会実装ですが、これから万博を機に実装していきます。
8月に官民連携で次世代空モビリティひょうご会議を立ち上げ、先日は、空飛ぶクルマの実装促進事業で6事業者を採択しました。
今回、空飛ぶクルマのデモフライト用暫定ポートが完成し、お披露目イベントを11月6日に尼崎フェニックス事業用地で開催します。
万博期間中のパークアンドライドが設置される南側にポートを設置します。
当日は、関係者を招いてセレモニーを実施し、万博期間中にフライトを実施する丸紅株式会社にも参加してもらう予定です。
万博期間中のパークアンドライド会場は資料のオレンジ枠のところですが、その少し南に暫定ポートを設置します。
暫定ポートの設置とともに、今後、イベントが開催できるようなスペースにもしていきたいので、これから準備を進めていきます。
パークアンドライドの会場には1日3千台、数千人が行き来することになるので、その利用者に、兵庫県のおいしい食や魅力、フィールドパビリオンも含め、マルシェなどのイベントを実施したいと考えています。
暫定ポートの大きさは30m×30m、天然芝で整備をしており、万博期間中、デモフライトも見てもらえるようにしたいと考えています。
当日、第一部は、ヘリコプターによる模擬フライトで、暫定ポート付近からヘリでフライトし、夢洲まで飛んで戻るコースを私や尼崎市長がヘリに乗ります。私自身はヘリに乗るのは初めてで、どうなるのか大変楽しみにしています。
第二部は、暫定ポート完成式典で、県以外からも関係者に来てもらい、発信をするものです。
2地点間のデモフライトを万博期間中に実現することが、一つの短期的なゴールになります。
商用運航は、いろいろハードルがありますが、商用運航にこだわらず、このようなデモフライトも大事です。空飛ぶクルマがどのようなものなのか、社会機運を醸成していくことが重要です。
フェニックス暫定ポートは、そのようなきっかけとして有効に活用し、今回のデモフライト以外にも、複数の事業者から、暫定ポートを利用していろいろな実験をしたいという話もあります。
空飛ぶクルマの2025年以降に向けた実装への一つのオープンなフィールドとして活用してもらえるようにしていきたいと思います。
兵庫県、尼崎フェニックス事業用地が空飛ぶクルマの一つの実装拠点になるような取組につなげていきたいと考えています。
2番目は「兵庫県×福島県×ワールド・ワンのうまいもんフェア」です。
兵庫県では、福島第1原発処理水の放出に伴った風評被害対策として、県庁2号館1階のドリームカフェにおいて、福島を応援するキャンペーンメニューを展開しています。
今回、福島県の水産物を応援するとともに、県産の水産物の消費を喚起していくため、福島県、兵庫県の漁業協同組合連合会、株式会社ワールド・ワンの4者で協力をして、両県の食材を使った料理を提供するフェアを開催することとしました。
本日は、関係4者の代表者に来てもらっています。福島県風評・風化戦略担当の岸理事、兵庫県漁業協同組合連合会の田沼会長、株式会社ワールド・ワンの松波取締役です。
11月8日から11月30日までの約1ヶ月間、神戸にある「ひょうご五国ワールド神戸三宮横丁」で開催します。
メニューの特徴ですが、福島県、漁連の皆さんが食材を確保し、株式会社ワールド・ワンにメニューの開発をしてもらいました。
福島県のメニューは地域で誇る食材を集め、メヒカリの唐揚げ、ほっき貝の浜焼き、郷土料理のさんまのポーポー焼き、いかにんじんを提供します。
メヒカリは、福島県沖で取れる深海魚で、関西ではなかなか流通していません。ホッキ貝は福島県でも大変ゆかりのあるものです。
兵庫県は、全国トップクラスの水揚げがある産品が大変多くあるので、それらを選定しました。ハタハタの磯部揚げ、これからのシーズンなりますが、牡蠣の浜焼き、但馬地域でとれるホタルイカの沖漬け、イカナゴのくぎ煮などを予定しています。
客席に福島県及び兵庫県産水産物の特長などを紹介するランチョンマットをセットし、来場者に両県の魅力を発信します。
水産物以外にも、なみえの焼きそば、ぼっかけ焼きそばなど、両県のソウルフード、地酒も提供し、飲み比べを楽しんでもらいたいと考えています。
それぞれの代表者に一言ずつお願いします。
(福島県)
この度は、福島県と兵庫県の魚の競い合いといった場を作っていただき、本当にありがとうございます。
東日本大震災から間もなく13年目に入ろうとしていますが、そのような中で確実に復興してきています。これも皆様のおかげだと考えています。これまでの温かいご支援に対し、心から感謝を申し上げます。
本日は、ALPS処理水の3回目の放出が始まりました。
そのような中で、福島県の漁業者は、震災以降、皆さんにおいしいものを食べて欲しい、喜んでもらいたいとの思いで、ひたすらに今まで漁業を続けています。
今回、兵庫県、漁連の皆さん、株式会社ワールド・ワンのおかげで、福島県の漁業者を応援してもらうことは、業者にとっても非常に励みになります。本当にありがとうございます。
ぜひ、兵庫の皆様にも福島県の「メヒカリ」、これは本当に脂が乗っておいしいので食べてもらいたいですし、福島県の被災地のソウルフードであるなみえ焼きそばも、少し食べるとすごく腹もちがして、非常にお腹いっぱいになる地元に愛される郷土食です。このようなもので、福島と兵庫がともに元気になればと思っています。
本当に、今日はありがとうございました。
(兵庫県漁業協同組合連合会)
兵庫県の魚は、これから水温が下がるとともに美味しくなっていきます。
特にホタルイカ沖漬け、ハタハタ、カニ、皆さんご存知のイカナゴのくぎ煮、幾らでもおいしいものが出てきます。
漁業者としては、おいしい魚を、消費者の皆さんに安心・安全なものを届けることが、私たちの義務だと思っています。
ぜひ、食事をしていただき、福島県ともども支えていただければと思っていますので、よろしくお願いします。
(株式会社ワールド・ワン)
ワールド・ワンでは、全国のいろいろな地域と連携をしたアンテナショップ型の飲食店を展開しています。そこで様々な食の体験を通じて、その地域の魅力を発信していく事業に取り組んでいます。
今年度は、兵庫県と連携をし、季節ごとに3回のフェアをやっています。2回までは終了しました。
今回は、特別版ということで、福島県と兵庫県の食の魅力を伝えるフェアを開催する運びとなりました。
今、国内の消費者の皆さんが、日本の食に関する注目がかなり高まっていると思います。
そのような機会に、神戸では、普段なかなか出会うことのない福島の食文化を兵庫の地元にある食文化と比べながら、楽しんでいただきたいと思っています。
その中で、お互いの海の豊かさを知ってもらう機会となれば良いと思っていますので、よろしくお願いします。
【質疑応答】
記者:
福島県では、他の自治体との取組が他にもありますか。それとも初めてですか。
福島県 岸氏:
吉村知事から全国知事会で福島県を応援しましょうという動きがあり、関西を中心に広がってきています。兵庫県の斎藤知事をはじめ、奈良県、京都府、滋賀県にも参加してもらい、関西を中心に応援の輪が広がっている状況です。
知事:
民間の事業者と行政が組むのは初めてですか。
福島県 岸氏:
私が知る限り初めてだと思います。
知事:
ぜひこの機会にお召し上がりいただきたいと思います。
3番目は「認定こども園・保育所等ホットライン拡充の運用開始」です。
補正予算で一部拡充をした内容になります。
認定こども園や保育所では、子どもに対する虐待の事案、不適切な事案も出ていることがあります。
それとともに、保育現場で働いている人も様々な悩みを抱えていることがあるので、相談窓口の設置はとても大事だと考えています。
県では、平成29年から独自で認定こども園・保育所等のホットライン相談窓口を開設しており、保護者、保育の現場の皆さんからの悩みなど様々な相談を受け付けてきました。
今回、このような不適切保育の防止が一層求められていることから、電話時間や相談体制の強化をしていきたいと考え、ホットラインの相談体制を拡充することにしました。
相談体制の準備が整い、本日(11月2日)から運用を開始します。
これまで月曜日から金曜日の9時から17時までだったものを、9時から21時までに拡充し、土日祝日も電話相談窓口を開くことにしました。
これまで県の直営スタッフで相談対応をしていましたが、カウンセリングのスキルを持つ専門事業者に電話相談の受付をしてもらい、こども政策課内の保育相談の専門知識を有する保育相談専門コーディネーターと密に連携をしながら対応します。また、LINEによる相談受付を新たに開始します。
子どもを預けている保護者、働いている保育士等の労務環境などの課題があるので、必要に応じて法的な観点から、県が外部の専門家、いわゆる弁護士からアドバイスを受ける仕組みも、新たに導入したいと考えています。
保育の現場からの声をしっかり受けとめ、土日も含めて対応する、法的な問題が生じるようであれば、必要に応じて県が弁護士と相談し、保育行政などは基本的に市や町の管轄なので、そこにつなぎ、助言や是正の勧告をしていきたい。
このような形で保育の質と量を向上し、子どもたちが安全・安心に暮らし、保護者も安心してサービスを受けられるような環境につなげていくことが大事だと思っています。
最後に、インフルエンザに関する注意喚起をします。
例年は12月ぐらいからインフルエンザの感染者が伸びてきますが、今年はすでに注意報レベルに達した発表をし、非常に県内でも発生状況が伸びている状況になっています。
令和5年の第41週10月9日から10月15日における定点あたりの報告数が11.96で、注意報レベルの10を超えました。その後も増加傾向が続き、第43週10月23日から10月29日まで、この直近の1週間で24.95という数値になりました。
速報値ですが25を上回りつつあります。警報の数値が30なので、現在、注意報から警報に近づきつつある状況です。
年齢構成を見ると、報告のあった4965人のうち10歳未満が2450人と49.4%、約半分になります。それから次いで10代が1736人で、10代以下が8割を占めています。
このシーズンでも学級閉鎖の累計が1432学級となっており、学年閉鎖も299学年、休校が9校と大変ペースが早くなっています。
コロナは直近で定点報告が2.40で、少し下げ止まりの傾向にありますが、インフルエンザの流行が続いています。
地域別に見ると、加古川、龍野も高くなっています。また、中播磨が少し高い水準で、朝来も高くなっています。姫路が51から60になっており、定点あたりの報告数が伸びている地域が徐々に増えています。
県民の皆さんにお願いしたいことは、手洗い、手指の消毒、マスクの着用など、日頃からの感染対策と備えをぜひ万全にしていただきたいと思います。
それから、高齢者、基礎疾患を有する人、小さなお子さんなどは、発熱がある場合には早めにかかりつけ医に行き、必要な処置を受けるようお願いします。
大事なのがワクチン接種になります。ワクチンは今のところ不足している状況ではないので、ぜひ、積極的なワクチン接種を検討してもらいたいと考えています。私も来週の11月10日にワクチン接種を予定しています。
いずれにしても、インフルエンザに対しての注意が大事です。手洗いなどの普段からの予防、ワクチンなどの備えをしっかりと県民の皆さんには検討してもらいたいと思いますので、よろしくお願いします。
私からは以上です。
記者:
インフルエンザの件ですが、コロナ禍でインフルエンザに罹らず免疫のない人が増えているため、例年よりも、インフルエンザ患者の総数が増えるのでは、という話も聞ききました。
それに向けて県として対策など何か考えていることがあれば教えてください。
知事:
これまで数年間はマスクを着用し、コロナ対策に留意していましたが、それが緩和された中、これまでインフルエンザに罹っていない人が多かったので、今かなり増えてきているようです。
5類のインフルエンザですから、注意喚起、日頃の手洗いや消毒、ワクチン接種などをしっかりと呼びかけていくことが大事な対策と考えています。
ワクチンも、今のところ不足しているような話は聞いていません。ぜひ積極的な検討をお願いしたいと考えています。
記者:
福島との取り組みで、関西を中心に応援の輪が広がっていると先ほどお話がありました。
関西の府県と声をかけて一緒にやろうみたいなお話があるのでしょうか。
知事:
徳島で先日開かれた関西広域連合で私から呼びかけしています。
前回の関西広域連合でも府県や市の取組が紹介され、それぞれ取組が広がってきている状況です。
県庁や府庁などの食堂でのメニュー提供が一番多いと思います。
兵庫県は、その中で比較的取組を広げている方で、先日の農林漁業祭での物産品の提供、今回の民間事業者との連携、障害者福祉事業所の作った産品を+NUKUMORIマルシェで、福島と兵庫で作ったものを相互で販売するキャンペーンも行いました。これは県庁の芝生広場と大丸の北側特設ブースでも開催し、私も行きましたが、福島の産品を紹介していると消費者が立ちどまってくれて、あっという間に売り切れたので、非常に県民の皆さんの関心は高いと感じました。
昨日からドリームカフェで福島応援メニューの第3弾がスタートしました。メニューがホッキ丼とメヒカリの唐揚げの甘酢あんかけで、すごく美味しいです。
福島のホッキ貝とメヒカリに、兵庫県のお米やたつのの醤油を使い、両方がコラボした商品で、1日10食限定ですが、ぜひ皆さんも食べていただければと思います。
このような取組を広げていきたいと思っています。
記者:
今回は株式会社ワールド・ワンに県から声をかけられたのしょうか。
知事:
令和元年度に包括連携協定を株式会社ワールド・ワンと締結しています。
その中で、このようなフェアができないかという打診を県から行い、株式会社ワールド・ワンが快く引き受けてくれました。
記者:
インフルエンザですが、若い世代、子どもたちに広がっているということで、子どもたちやその家族に向けて特別なメッセージがあれば教えてください。
知事:
インフルエンザは、10代より下の低年齢の子どもが多いデータが出ています。そのような意味で、ぜひ注意をしてもらいたいと思います。
どうしても、学校や保育園、幼稚園などで飛沫を浴びたり接触する機会が多いのが低学年なので致し方ない面もありますが、手洗い、うがいも含めて、家族同士で気をつけることが大事ですし、お父さん、お母さんとしっかりと話し合い、ワクチン接種も積極的に検討してもらいたいと思っています。
インフルエンザは発症すると症状が大きいため、お父さん、お母さんも大変不安に感じると思いますが、症状が出たら早めに小児科にかかり、必要な処置をすれば、特効薬などがかなり発展しているので、しっかりと予防と対策を講じてもらいたいと考えています。
特にこれから空気の乾燥が進むと、インフルエンザの流行がさらに蔓延していくため、注意しなければなりません。
そのような意味でも、備えと対策をしっかりとやっていくことが大事です。
記者:
阪神・オリックス優勝パレードは、知事にとってどのような位置付けなのか、また、パレードに期待されることを教えてください。
知事:
今、関西ダービーが連日、本当にしびれる展開だと私自身もワクワクしながら見ています。テレビの前から離れられない状況です。
本当に連日素晴らしい試合です。昨日はサヨナラで阪神が勝ったという劇的な展開でした。
今日は、甲子園でのファイナルになるため、良い試合を期待したいと思っています。
結果として、どちらかが勝ってどちらかが負けることになりますが、いずれにしても、日本シリーズが終わったらノーサイドという形になります。
11月23日にパレードを成功裏に安全に開催し、県民の皆さん、関西の皆さんで、両チームの優勝を、喜びを分かち合いたい、成功させたいと思っています。
30万人を超える人が訪れるかもしれないですが、多くの人が来てくれると飲食店中心に経済効果は大きなものがあるので、それによってまた、兵庫、関西の景気も盛り上げていきたいと思います。
記者:
パレードのクラウドファンディングは、今日時点、約4400万円で8%程度の達成率ですが、この現状の受けとめと、好調と言えない状況への見解を伺います。
知事:
本日9時の時点で、寄付総額が約4400万円でした。5700人を超える方の寄付に改めて感謝を申し上げます。
ご指摘の通り、5億円という高い目標を立てたので、まだまだ到達していない、正直苦戦しているのが今の状況ですが、まだ1ヶ月ほどクラウドファンディングの期間があるので、我々もいろいろなところでPRしていくと同時に、熱戦を繰り広げている両チームなので、よりクラウドファンディングへの理解も繋がり、多くの方に賛同いただければと思っています。
記者:
県民や国民に対して寄付を呼びかける上で、今後、てこ入れする方針、また、改めて知事として呼びかけのコメントをお願いします。
知事:
まだ目標額に届いていないので、ぜひ多くの方々にご協力いただきたいと強くお願いします。
我々もできるだけ、いろいろなところでPR、発信をするようにしており、メディアの皆さんの協力にも本当に感謝しています。
これからも、より多くのPR、発信に協力もらえればと思っています。
1人でも多くの方に寄付を、また、企業の皆さんに協賛金を含めて、声かけをしていますが、前向きな声が広がってきているように感じていますので、クラウドファンディングとともに、企業の皆さんからの協賛金も、ぜひ多くの方に協力いただきたいと思っています。
記者:
企業の協賛金の集まり具合はどのような状況でしょうか。
また、クラウドファンディングが不調に終わった場合のこの事業費の5億円は、どのように賄われるのかという見込みがあればお伺いします。
知事:
基本的にはクラウドファンディングと企業からの協賛金をベースに資金集めを考えています。
協賛金は、現在、募集中で、企業という相手のあることなので、今の時点では「声かけ中」という回答です。
何とか企業の支援の輪を広げていきたいと考えています。
記者:
阪神にどうしても寄付が偏っている感じがしますので、オリックスのファンにも呼びかけがあればお願いします。
知事:
オリックスファンの皆さんにもぜひお願いしたいと思っています。
球場での応援も、甲子園の場合はどうしても阪神ファンが人数としては多いようですが、オリックスファンの声出し応援も負けていないぐらい素晴らしいものがあります。
神戸ゆかりの球団でもあるので、ぜひ多くの皆さんにクラウドファンディングの協力をいただきたいと思います。よろしくお願います。
記者:
今日の午前中に津波一斉避難訓練を実施されました。
改めて、意義と所感があればお願いします。
知事:
今日10時2分頃に一斉にメールが鳴り、おそらく皆さんもびっくりしたのではないかと思います。
11月5日が津波防災、世界津波の日です。南海トラフ地震、大きな地震を想定した津波訓練を毎年実施しており、今年は、今日実施しました。
南海トラフの津波想定地域となっている14市1町、日本海側でも津波の想定地域になっている但馬地域でも実施しました。
このような機会を通じて、津波が我々の日常生活の中で、地震が起きた場合にリスクとしてあることを今一度、県民の皆さんにも知ってもらいたいたいですし、その時には逃げることが大事です。
防災対応として、防潮堤や高潮のハードの整備をしっかりとしていますが、ソフトも大事です。
その中で一番大事なのは、津波が来そうな場合には、とにかく高いところや遠くに逃げることです。それを、多くの県民に今一度理解してもらいたい、そのようなきっかけにできれば良いと思っています。
記者:
臨時国会の所信表明で、岸田首相がライドシェアを推進する方針を出しました。
業界からは安全性を危惧する反対の声もありますが、一方でやらなければならないとの認識が強くなっている側面もあると思います。
ライドシェアに対する考え方、考えている方向性があれば教えてください。
知事:
ライドシェアの問題は、タクシードライバー不足の問題に繋がる可能性がある一方で、既存のタクシー業界も大変厳しい経営状況になっており、タクシー会社の経営を圧迫するのではないか、また、安全性の問題など様々な議論がされるなど、意見が二分されていると考えています。
オーバーツーリズムなどの影響で、兵庫県や神戸市でタクシーが不足しているとは感じていません。
特に問題となっているのが、東京や大阪、京都などインバウンドで観光客がたくさん押し寄せている地域での対応が課題になっていると思います。
都市部かつ観光客がとても多い地域の問題として何とかしなければいけないと考えています。
一方、兵庫県では過疎地域、多自然地域における交通手段が足りなくなっている側面があります。
例えば、養父市が運行している「やぶくる」など自家用の有償運送は、既に各地域でも広がっており、他にもどのように広げていくのかが、兵庫県の過疎地、多自然地域における交通の確保として大事な課題だと思っています。
課題解決には、地元の市町や交通事業者としっかり連携しながら対応していくことが大事だと思っています。
都市部では、業者にとって利益があり、消費者にとっても配達のニーズがあるので、UberEatsなどの利用が増えています。
そのニーズに対する供給が不足している箇所へどのように供給を増やして、経済を活性化させていくかという議論もあると思いますが、過疎地や多自然地域では、利益を出そうとすると高い料金設定になり、なかなかビジネスとして成り立たないのが現状です。
その場合、公費をどこまで投入できるかの議論になります。公費投入は、現状でもバスなど路線維持のために投入しているので、それとの関係をどうするかもあり、一筋縄にはいかないことが課題としてあります。
都市部と過疎地域、多自然地域での対応は、バランスを見ながら考えていくことが大事だと思っており、国の議論を見守っていきたいと思います。
記者:
兵庫県の場合、過疎地での対応課題になるとの説明でした。
現時点で、知事としては、公共事業者に対する手当や補助を拡充する方を優先されるということですか。
知事:
「やぶくる」のようなライドシェアを過疎地で行う場合は、公費投入無しでは回らないと思います。
公費をどのように確保し導入していくかが大きな課題になると思っています。
記者:
関西パビリオンに関して、建設費が上振れする報道がありました。
上振れすることへの受け止めと合計で6億7000万円ぐらいになるとのことですが、このうち兵庫県の負担がどれぐらいになるのか教えてください。
知事:
先日、関西広域連合で議論しましたが、関西パビリオンの整備事業の増額分を補正予算で追加計上します。
補正内容は、資材労務単価が高騰したことに加えて、パビリオンのバックヤードの仕様を変更した面もあります。
全体で約1億5000万円増額することになり、そのうち資材高騰に関するものが約6000万円、仕様変更が約8600万円となり、合計で約1億5000万円になります。
資材高騰等に伴う増額は、必要な賃金や経費に対する措置で一定やむを得ないと思います。また、仕様変更は、2階建てのバックヤードを3階建てにすることでスタッフの休憩室等を拡充するための必要な経費だと考えています。
関西広域連合の議案になるので、関西広域連合議会でも議論をした上で、提案していくことになります。
そのうち兵庫県がどれぐらいの負担になるかは、後程担当課から説明します。
福井県と三重県も参加しており、費用負担は構成府県で割りますので、全体の増工分のうち、兵庫県は一部を負担することになります。
記者:
万博の会場費が上振れすることに関して、国民の中には税金投入することに対して疑問視する声もあると思いますが、今回の関西パビリオンの増額も含めて県民にどう理解を求めていくのか、また、関西パビリオンがさらに上振れする可能性があるのか、どのようにお考えですか。
知事:
パビリオンの建設費自体はおそらく今回が最大値になります。
一方で、外構工事の経費は、まだ引き続き精査中ですが、増えたというよりも必要な経費として、今後精査をしていくと思っています。
いずれにせよ、大阪・関西万博の経費は、政府や関係経済界なども含めて受け入れの表明をされていましたが、この大きなプロジェクトを成功させることが大事なポイントだと思います。
社会経済情勢として資材高騰や労務単価が上がっていることを踏まえると、一定やむを得ないと思っています。
我々も病院を建てる際、資材価格が高騰して入札が不調になり、金額を引き上げざるを得ないこともありましたので、同じように、今回の万博経費も増加していると思います。
ただ、県民の皆さんや国民の皆さんに理解していただくためには、兵庫県でもフィールドパビリオンを実施していますが、万博が価値あるものであることをしっかり説明して理解を求めていくことが大事だと思っています。
世界中から多くの方々が関西に訪れるチャンスでもあるので、経費が増える分、それ以上にチャンスを生かしていける機会だと捉えて、成功に導いていくことが大事だと思っています。
記者:
先週の会見で、大阪・関西万博のパビリオンは、全体的には上振れするけども兵庫県への影響ないかとの質問が出た時に、影響ないとの回答でした。
その時点では影響があることが分かっていなかったのでしょうか。
関西広域連合委員会の3日前なので、分かっていないのは仕方がないのかも知れませんが、議案は3日前に知事の手元に届かないものなのですか。分かっていなかったのかをお伺いします。
また、県民への理解は、例えば、関西広域連合ではなく、大阪・関西万博全体で何千億との話に比べたら少ない額だと思っているのか教えてください。
知事:
関西広域連合の直前の会見で質問が出た時に、ひょうごフィールドパビリオンなどは会場建設がないプログラムなので、そこは影響が出てこないとの趣旨で回答をしました。
一方で、その直後に関西パビリオンの建設費に影響が出たということで、その時の説明の仕方を少し丁寧にすべきだったと考えています。
関西パビリオン自体が約1.5億円増加する形になりますが、金額が多い少ないというよりも、当初の見積から増えることは、いろいろな事情があるとはいえ、しっかり県民の皆さんに理解をしていただかなければいけないと思っており、意義を説明し、内容をオープンにしていきたいと考えています。
記者:
もう少し丁寧に説明すべきだったかと思われたのは、分かっていたが丁寧に説明しなかったのか、知らなかったのか、どちらなんですか。
知事:
答えた時は、そこの認識がなかった、抜けていたということです。
記者:
パレードの件でお伺いします。
クラウドファンディングの集まりが少しゆっくりで、足りなかった場合、どうするのかとの質問がありました。
回答は、頑張りますという感じでしたが、本当に足りない場合は、公費の支出もあり得るのでしょうか。
知事:
基本的に公費の支出は、現時点で考えていません。
クラウドファンディングとともに、企業の協賛をしっかり集める。この2点でしっかりと対応していきたい、資金集めに努力していきたいことが現状です。
記者:
職員に、当日、出てもらう件ですが、大阪はボランティアの形で、代休などを取るわけではなく、労働組合から反発が出ていると聞いています。
兵庫県は、平日に代休を取って休日出勤の扱いにすることになるのですが、知事の考えをお伺いします。
知事:
自治体によって判断が分かれることはあり得るかと思っています。
兵庫県としては、警備の補助、観客誘導など安全を確保する業務が必要で、その性質上公務という扱いをする予定です。
基本的に休日勤務になりますが、応援職員は代休対応です。神戸市も同じような対応で、前回の2003年も同様の対応でした。
記者:
職員が公務で祝日に勤務された場合、代休を取得すると、祝日出勤で手当が出るのでしょうか。
どの程度の費用がかかって、何人ぐらいが出勤するのでしょうか。
知事:
兵庫県で800人を予定してます。
担当課:
手当は、代休対応なので出ません。
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