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更新日:2024年9月19日

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第368回(定例)兵庫県議会 知事提案説明(令和6年9月19日)

本日、第368回兵庫県議会の開会にあたり、県政の推進に日頃からご指導いただいている議員の皆様に敬意と感謝を表します。
提出議案等の説明に先立ち、今般の文書問題について申し述べます。
当事案を通じて、多くの県民の皆様にご心配をおかけしていることを、改めて心よりお詫び申し上げます。
県政を刷新し、新しい時代を見据えた道を切り拓いていくことが、県民の皆様から負託をいただいた私の責務である。その思いから、知事就任以降、改革を着実に進めながら、県民の幸せのために、兵庫の未来のために何が大切なのかを常に考え、新たな施策や取組などに全身全霊を注いでまいりました。しかし、その過程での私の言動や県の対応に対して、厳しいご指摘をいただいています。
文書問題調査特別委員会や第三者委員会の調査に誠実に対応し、県民の皆様への説明責任を果たしていくこと、そして、反省すべき点、改めるべき点をしっかりと受け止め、日々の仕事に活かしていくことが、県政を前に進めていく上で大切であると考えています。
県民や職員など多くの皆様にご理解、ご協力をいただけるよう、信頼回復に向けて最大限の努力を重ねてまいります。

続いて、主な施策の進捗状況等についてご報告します。

その1は、安全安心に包まれる兵庫づくりです。

(災害対応力の強化)
先月、南海トラフ地震臨時情報が、2019年に制度の運用が開始されて以来、初めて発表されました。本県は速やかに県・市町連絡会議を開催し、全県を挙げた体制を構築するとともに、私から県民へ、地震・津波への備えや避難準備等を呼びかけました。県民の皆様には、関係機関からの正確な情報に基づき、冷静な行動を取っていただいたことに感謝申し上げます。
能登半島地震で顕在化した課題への対応策を検討する「ひょうご災害対策検討会」については、8月に2回目の会議を開催し、第1次案を示しました。検討会の中では、南海トラフ地震臨時情報への対応についても議論を進めています。今後、検討の成果を防災訓練や地域防災計画の見直し等に反映し、災害対応力の強化に繋げてまいります。

(阪神・淡路大震災30年事業)
11月からスタートする阪神・淡路大震災30年事業のロゴマーク・キャッチフレーズを決定しました。人と人が手を携えた姿をイメージしたロゴマークと、「うすれない記憶はない。つなぐべき決意がある」というキャッチフレーズです。行政はもとより、企業や団体にも広く活用していただき、30年事業の機運を醸成していきます。
また、このたび、北但大震災からの復興を今に伝える「豊岡震災復興遺産」を県の景観遺産に登録するとともに、「人と防災未来センター」が新たに創設された国のNIPPON防災資産の優良認定を受けました。これらの貴重な資産をさらに活かしながら、震災の経験と教訓を伝えていきます。

(ウクライナ支援)
戦禍にあるウクライナへの支援について、今月9日から11日に、県立総合リハビリテーションセンターにおいて、ウクライナの医師や義肢装具士の方々の視察を受け入れました。1月以降、4週間程度の研修を予定するなど、今後も創造的復興の理念を活かしたウクライナ支援を息長く続けていきます。

(兵庫県新型インフルエンザ等対策行動計画の改定)
新型コロナウイルス感染症が感染症法上の5類に移行してから、大きな混乱なく1年以上が経過しました。いま大切なのは、3年を超えるコロナ禍で明らかになった課題を踏まえて体制を強化することです。関連する法律の改正など国の動きも踏まえ、年度内に本県の「新型インフルエンザ等対策行動計画」を改定し、幅広い感染症危機に対応できる体制づくりを進めます。

(横断歩道等安全対策プロジェクト)
緊急対策として実施している横断歩道の引き直しについては、通学路の近くや住宅地、交通量が多い場所などを優先して進め、8月末時点で約9,700箇所が完了しました。予定どおり、9月末までに約1万箇所の引き直しを終える見込みです。あわせて、県管理道路のセンターライン等の引き直しも進めています。

その2は、若者・Z世代が輝く兵庫づくりです。
未来を担う若者が自らの可能性を広げ、個の力がみなぎる兵庫をめざす「若者・Z世代応援パッケージ」の取組は、着実に進んでいます。

(高等教育の負担軽減)
授業料等の無償化を開始した県立大学では、志願者数が過去5年で最多となりました。県議会や大学、学生等の意見を伺いながら推進を図ってまいります。
また、中小企業と連携した奨学金返済支援制度については、申請企業数、申請者数ともに前年同期比で約3割増加しています。対象年齢の引上げ、補助期間の延長といった支援充実の成果が表れていると考えます。中小企業の人材確保や若者の県内就職に向け、引き続き、企業や学生に対するPRに取り組みます。

(不妊治療支援の強化)
不妊治療支援に関しては、保険適用外の先進医療にかかる治療費等の助成申請の受付を7月から開始しました。また、高校生と知事とのプレコンセプションケアをテーマにした座談会を行うなど、若い世代への啓発を進めるとともに、幅広い関係者の参画のもと、不妊症対策に特化した条例の制定に向けた検討にも着手しています。

(住宅支援の充実)
子育て世帯等への住宅支援として、県営住宅では、子育て世帯向けにリノベーションした住宅の入居募集を順次進めています。民間住宅では、尼崎市内において、重点的に支援を行う「子育て住宅促進区域」を7月に県内で初めて指定し、住宅の取得や子育て支援施設の開設等に対する助成をスタートさせています。

その3は、活躍の場が広がる兵庫づくりです。

(2025年大阪・関西万博に向けた取組)
万博開幕まで半年余りとなりました。会場ではシンボルとなる大屋根リングの木造建築部分が完成し、関西パビリオンの建設も着実に進んでいます。
フィールドパビリオンには、県内各地の多くの方々が意欲的に手を上げていただき、認定プログラム数は230に上っています。皆様の思いをしっかりと誘客という成果に繋げられるよう、東京で開かれるツーリズムEXPOジャパンへの出展や、札幌・仙台をはじめとした神戸空港の就航先でのイベント開催など、プロモーションを強化します。また、万博会場で実施予定のフィールドパビリオンフェスティバルのプレイベントを、開幕半年前の10月に神戸で開催します。
さらに、動画や絵画の制作、仕事体験の発表など、子どもたちの主体的な参画を促す企画も着実に進んでおり、引き続き、各事業の仕上げに力を注ぎます。

(観光ツーリズムの振興)
7月からJR西日本と連携して「兵庫DCアフターキャンペーン」を展開するとともに、有馬・城崎・洲本の温泉地を舞台に、デジタルスタンプラリー「テクテクひょうご温泉めぐり」を実施しています。
隣県と連携した広域周遊観光の取組も進んでいます。7月8日の岡山県との連携会議では、サイクリングや周遊クルーズを通して瀬戸内地域の広域観光を推進していくこととなりました。また、9月3日の香川県との連携会議では
現在、6つの両県周遊ツアーの販売を開始しており、今後、インバウンド向けツアーの造成も進めていくことを確認しました。来年は大阪・関西万博と瀬戸内国際芸術祭が同時期に開催されることから、近隣府県との連携を一層強化して誘客に取り組みます。

(スポーツによる地域活性化)
パリオリンピック・パラリンピックでは、2大会連続で金メダルを獲得した柔道の阿部一二三選手をはじめ、多くの兵庫県ゆかりの選手が活躍しました。スポーツへの関心はますます高まっています。
今年度、新たに、アメフトクラブのSEKISUIチャレンジャーズ、サッカークラブのFCバサラ兵庫、INAC神戸レオネッサの3つのクラブと包括連携協定を結びました。また、8月には、能登半島地震で被災した七尾高校女子サッカー部を本県に招待し、INAC神戸トップ選手によるサッカー教室や県内高校との交流事業を実施しました。

(ユニバーサルなスポーツ施設検討会の設置)
神戸での世界パラ陸上やパリパラリンピックの盛り上がりを、パラスポーツの振興につなげていくため、「ユニバーサルなスポーツ施設検討会」を設置しました。県内のスポーツ施設が、障害者も健常者もともに使いやすいユニバーサルな施設となることを目指し、検討を進めます。

(障害者アートの推進)
障害のある方の芸術文化活動の応援に力を入れています。県内各地で障害者アートの巡回展を実施するとともに、障害者芸術に取り組む福祉事業所等と、展示を希望する事業者等とのマッチングを開始しました。
現在、新設・建替等を進めている東播磨・但馬地域の特別支援学校においても、障害者アートの展示ができるギャラリーを設けます。

(人手不足対策への対応)
深刻化する人手不足への対応策の一つとして、県公式の単発お仕事探しサイトを開設しました。単発・短時間勤務等を求める求職者と淡路島内の企業をマッチングするもので、開設2ヶ月で約400件のマッチングを達成しています。淡路地域からモデル的に始め、全県的な普及を目指します。
「人手不足問題対策会議」も昨年度に続いて開催し、外国人の就職・定着や学生の県内就職の拡大などをテーマに、具体的な施策について検討を進めています。

(柔軟な土地利用コントロール)
加西市において、令和7年度末を目途に市街化調整区域を廃止する方針を定めました。市街化調整区域の土地利用ニーズが多様化していることを受け、令和4年度に策定した「区域区分見直しの考え方」に基づき、加西市とともに検討・調整を進めてきたもので、県内初の取組です。引き続き、市と連携しながら手続きを進め、地域の活性化につなげていきます。

(高規格道路ネットワークの整備)
地域発展の基盤となる高規格道路ネットワークについては、北近畿豊岡自動車道のうち、但馬空港ICから豊岡出石ICまでの豊岡道路が9月23日に開通します。これにより、但馬地域の観光振興や第3次救急医療機関である豊岡病院へのアクセス向上などが期待されます。
このほか、山陰近畿自動車道、東播磨道、大阪湾岸道路西伸部、名神湾岸連絡線、神戸西バイパスなど、事業中の路線の早期整備に取り組んでいます。播磨臨海地域道路は、早期の都市計画決定を目指します。

(新飛行経路案への合意)
7月15日の関西3空港懇談会において、住民の生活環境への負担軽減、環境監視、地域振興の取組に万全の協力が得られることを前提に、関西空域の飛行経路見直し案に合意しました。
今後、県民の生活環境を守る観点から、航空機騒音等の監視を強化するとともに、この見直しが本県経済の振興につながるよう、神戸市や関西エアポート社等と連携し、アクセスや観光施策の充実に取り組んでいきます。

その4は、県政改革の推進です。
令和5年度末の財政基金残高は、震災以降約30年ぶりに100億円を超え、127億円となりました。知事就任以降進めてきた事務事業や大型投資事業等の見直しが、確実に実を結んできています。
引き続き、分収造林事業や地域整備事業など、過去から引き継がれた課題にも真正面から向き合い、道筋をつけつつ、行財政改革をさらに推進していくことで、生み出した財源を若者・Z世代への応援をはじめとする未来への投資に積極的に振り向けていきます。

(県政改革調査特別委員会)
3月に県政改革調査特別委員会が設置されて以降、県民生活や財政フレームに大きな影響を及ぼす諸課題について精力的にご審議いただいています。8月21日には、県政改革方針の見直しにかかる「課題と検討方向」に対し、各会派から意見開陳がありました。いただいたご意見を踏まえ、各項目の具体的な改革案の検討を進めています。

(庁舎等のあり方検討)
県庁舎については、現在の物価高騰を考慮すると、従前の再整備計画は1,000億円を超える事業規模であることから、一旦立ち止まり、4割出勤を目指したトライアルなどを進めてきました。こうした中、職員アンケートや県政改革調査特別委員会を通じて、大規模災害時の対応や、職員が安心して働ける職場づくりなど、様々なご意見をいただいています。財政状況やオフィスの機能性、さらには能登半島地震における被災自治体の災害対応状況等を踏まえ、現在開催している「県庁舎等のあり方に関する検討会」などにおいて、1、2号館退去後の暫定的な対応に加え、新庁舎の整備についても、一定の方向性を示していきます。
また、県民会館については、詳細な耐震診断の結果、耐震性能が不足していることが判明しました。県庁舎のあり方とあわせて、今後の県民会館の方向性も検討していきます。

これより、提出しました議案について、説明します。

(予算案件)
予算案件は、「令和6年度兵庫県一般会計補正予算(第1号)」1件です。
26ヶ月連続で物価上昇率が賃金の伸びを上回るなど、物価高騰が長期化しています。県民生活を下支えするため、スマホアプリを活用した家計応援キャンペーンを実施します。また、国が緊急対策として実施する電気・ガス料金支援の対象とならないLPガス利用者や特別高圧電力を受電する中小企業等に対し、負担軽減対策を行います。

特定外来生物ナガエツルノゲイトウの生息地域が急拡大し、農業被害等が懸念されることから、農業水利施設等における緊急防除等を実施します。

公共事業については、当初予算を上回る国庫補助の内示を得たことから、道路事業をはじめとする社会基盤整備にかかる事業費を増額し、事業効果の早期発現を図ります。

以上、補正予算案の規模は、一般会計で109億85百万円の増額です。
財源は、地方創生臨時交付金をはじめとする国庫支出金など有利な財源を最大限活用します。
決算案件は、「令和5年度兵庫県一般会計歳入歳出決算の認定」等22件です。

先に監査委員の審査に付していましたが、このたび審査意見書の提出がありましたので、認定を求めるものです。
一般会計は、歳入が2兆4,077億円、歳出が2兆3,836億円で、過去5番目の規模となりました。企業業績の回復により県税収入等が過去最高となったことや歳出不用等により、後年度の精算分を除いた実質収支は35億2百万円の黒字を確保しました。

条例案件は、「個人番号の利用、特定個人情報の提供等に関する条例の一部を改正する条例」等4件です。
その他案件は、「兵庫県道路公社が行う遠阪トンネル有料道路の事業変更についての同意」等22件です。

以上で、提出議案の説明を終わります。
議員の皆様におかれましては、よろしくご審議のうえ、適切なご議決をいただきますようお願いします。

お問い合わせ

部署名:総務部秘書広報室広報広聴課

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