放棄された道路を斜面からの土砂供給量の推定に活用する手法を開発
2026年2月25日
担当部署名/兵庫教育大学
直通電話/0795-44-2431
<概要> 斜面からの落石による土砂供給量は、土石流の頻度や規模を決める重要な要素の一つですが、数十年間にわたる期間の土砂供給量を広範囲に推定することは簡単ではありませんでした。本研究では、放棄された道路(廃道)に着目し、廃道に堆積した土砂量を、レーザ測量機能を搭載したドローンを使って測量することにより、数十年間の土砂供給量を推定することに成功しました。
本研究チームは、静岡県と長野県の県境付近にある道路(静岡県道288号線)の通行止め区間を対象に、ドローンによる地形測量を実施しました。この道路は1991年に発生した災害によって通行不能となり、それ以降、道路上には斜面からの落石が堆積し続けています。対象の道路区間を分割し、各区間の斜面の地形条件と土砂供給量の関係を調べた結果、斜面の平均傾斜が大きくなるほど、また、斜面の面積が大きくなるほど土砂供給量が増加することが明らかになりました。これらの分析結果から、この地域の谷の源流部では、1年当たりおおむね70〜93立方メートルの土砂が供給されていることが推定され、数十年程度で土石流1回分に相当する土砂が蓄積する可能性があることが明らかになりました。
日本の山間部では、道路の付け替えなどにより、放棄された道路が増えています。これまでそれらの道路が活用されることはありませんでした。本研究成果を用いてそれらの道路などを調査することにより、土石流災害の予測につながる基礎情報の取得が進むことが期待されます。
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