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更新日:2024年3月25日

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#1 トップブロガー・ナコさんの”ゆる家事スタイル”って?

 

こんにちは。イラストレーターのナコです。

小6・小3・2歳児クラスのムスメたち3人と夫と、暮らしています。

家族の日常をつづったブログ「ナコとムスメらあとダンナ」(https://ameblo.jp/nacomusud/)や「ナコさんちの頑張らない家事」(KADOKAWA)という本を出していたことから、今回「ゆる家事大作戦」をスタートする兵庫県さんの目に留まったのか、“ゆる家事”実践中の一人としてインタビューを受けることになりました。
気楽に読んで、参考になりそうなことがあったら使っていただければ嬉しいです。

 

 

無理なく家事を回していくために わが家の優先順位を考えてみる

“ゆる家事”って、頑張らないと家事を回していけない状況から、無理なく回していける状態にすることなのかなと思います。世間から「これぐらいやって当たり前」と思われているだろうイメージを一回横に置いて、わが家に必要なことの優先順位を整理して、その上で家事を見直してみるといろんなことがわかるんじゃないでしょうか。
実は、お産の時につわりがひどくて2カ月入院した経験から、自分だけが家事をしていてはダメだなと思いました。自分一人で頑張らなくても、誰が家事を担当してもOKになるようにするには、どうしたらいいのかなと試行錯誤していきました。アクシデントがあっても破綻しない。リスクヘッジを兼ねたイメージです。頑張らなくても回していけて、かつ余裕がある状態が、実は家事ができている状態なんじゃないかなと思っています。
主な家事担当者だけが全部を把握していて、誰かに頼む時にそれと同じ水準を求めると結局回りません。スキルのある人の水準に合わせてしまうと分担できなくなるからです。
わが家では一応これが最低のOKラインとします、というふうにしておくと、誰がやってもOKな状態を作れると思います。

できそうなところから ゆる~くスタートしてみよう

家事の分担など家族で話し合えそうなら、話し合ってスタートしてみたらいいと思いますが、「明日からゆる家事します!」と宣言したり、気合入れたりする必要は必ずしもないです。いきなり「洗濯物はたたみません」と言うよりも「シワにならないし、選びやすいからハンガー収納に変えてみようか?」とか「タンスよりも見えやすいからカゴに仕分けする方式にしない?」というアプローチの方が伝えやすいし、家族も受け入れやすい。
そんなふうにできそうなところからゆるくフェイドインしていく。あるいは「あんまり好きじゃないな」という家事からゆるくしていくこともできると思います。
その時に大切なのは「最適化する」「効率化する」という考え方かなと思います。手抜きとかズボラなどのマイナスの気持ちが頭をよぎると、「申し訳ない」と罪悪感を抱いてしまいがち。自分自身も「その方がいいよね」と納得できるように利点を整理することが大事かなと思います。
例えば、食洗機を導入したい時に「お皿洗いが大変だから」「時間がないから」は十分な導入理由ですが、そこにプラスして「食洗機で洗う方が清潔だし、節水にもなるよね」と考える。
レトルト食品を定期的に導入する時も「防災のローリングストックの観点から、レトルトを食べ慣れていたり、常にストックしておく方がいいよね」と考える。
赤ちゃんの離乳食も、「メーカーが作ったフリーズドライは衛生的で栄養も保持されている」と考える。ゆる家事は手間や時間の軽減以外にも利点が多く、罪悪感や劣等感を感じる必要はないのです。

「ゴールはここ!」だけ決めて そこに至る過程は自由でいい

家族と話し合う時や自分で整理する時に、例えば「ゆるくしたい」vs「ちゃんとやりたい」のような対立構造ではなくて、まず、「わが家に必要な得たい結果は何か?」というゴールから始めて「それに対して必要な方法は?」と考えていくといいかなと思います。
得たい結果、ゴールはここ!というところだけ共通認識を持って、そこに至る過程は自由。それぞれのやり方でいい。そうすると幅が持たせられるし、誰の価値観も侵害しません。
そういうわが家の落としどころを発信していると、読者のかたから「参考になります」「夫さんに言った『ご飯と洗濯、どっちやる?』みたいな2択のアプローチの仕方は使えるかも」「家庭だけじゃなくて職場でもこの方法は使えるかも」といった感想をいただくことがあります。

「家事」と言うと「やって当たり前」の「生活の一部」で「仕事とは違う」から感情が入りやすいですけれど、これも仕事だと思えば、感情論から一歩ひいて全体が見えるようになると思います。「誰でもできる状態にしておく」とか「2択にして分担する」とかは、家庭以外の場面でも共通していますしね。
以前まで私は、世の中にあふれる「頑張らなくていいんだよ」というメッセージを見ると、実際に家庭の仕事を担わない誰かに無責任に「頑張らなくていいんだよ」と言われても何も解決しないし、頑張らない分のツケは誰が払うの?と思っていました。ですが、ある時「そうか、大事なのはそこじゃないんだ!」と、自分で気づいて対策を始めたのが「頑張らない」「ゆるくする」第一歩になりました。様々なやり方がありますが、もしうちのエピソードを見て「なるほど、こんなやり方もあるんだ」と参考になる人もいたら、書いてよかったなと思います。

生活の中で本当に大切にしたい こだわりの時間を作るために

だけど、まじめで頑張りやすい人ほど、「頑張らない家事、進めましょう」「ゆる家事にしましょう」と言うと、感情の部分で「本当はこうしたいのに……」という思いが募り、逆にそれがプレッシャーになってしまう人がいます。
本当は料理が好きで作りたいのに、無理やり「レトルト食べる日をもっと増やさなきゃ!」と頑張るのは本末転倒ですよね。物理的にラクになっても、精神的に負担が増えています。SNSで、丁寧な朝食を作ることが好きな人が「今、時短が流行っているから、こういうのは流行らないかもしれないけれど」と後ろ向きなメッセージと共に、自分が作ったステキな朝食の写真をアップしているのを目にしたことがあり、一律に「ゆる家事しましょう!」と迫っていくのは違うように感じました。
丁寧に家事をしたい時は、もちろん丁寧にしていい。その上で、できない時や自分以外の人がやる時なら「これぐらいでOKだよね」というところを見つけておいてほしい。そうすれば例えば「私はこれをちゃんとやりたいから、あっちは限界まで負担を軽くしておこう」など、それぞれの人の価値観や生活スタイルに合わせて、その場その場で無理なく臨機応変に家事を回していく幅を持たせられる。一つしかない自分の体と自分の時間とエネルギーを、上手に配分していけるようになること。それが、本当の意味での「頑張らない」「ゆるい」ということじゃないかなと思っています。(談)

 

【編集部から】今後、このwebサイトでは、いろいろな「ゆる家事」の方法などを読者に伝えていきます。自分が「これ、私の生活に入るといいかも」と思ったものだけをチョイスして取り入れてみて、それで気持ちがラクになったり、時間に余裕ができたりしたらいいと考えています。ご注目よろしくお願いいたします。

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